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メレンゲが腐るほど恋したい

旅行記や生きものの話を写真多めの長大な記事で送ります

うさぎと毒ガスの島「大久野島」(後編)/神と塩の島「大三島」

写真 外出 動物

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↑理解を助けようとして途中から完全にフィクショナル細部にとらわれている地図をまた描きました!(大山祇神社の字を間違えているが直してアップするのが面倒!)

うさぎと毒ガスの島

青春18きっぷで行くうさぎと毒ガスの島「大久野島」(前編)の続編です。
一泊二日の旅とはいえ、一日目で島の名所はわりと押さえてしまった感があります。ウサギとマッタリして時間をつぶすという手もあるけれど、この季節日中のウサギはマッタリというよりグッタリしている。せっかく18きっぷではるばる来たのだから、違うところにも寄って帰りたいものです。
たとえば呉・尾道・竹原などの選択肢がありますが、宿の周辺観光ガイドに『大三島:神社がでかい。国宝がいっぱい』みたいなことが書いてある*1大久野島からフェリーで渡れるらしいし、このまま本土に戻るのはわけもなく悔しい感じ…なのでほとんど情報のないまま大三島に渡ることにしました!
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まずは大三島(おおみしま)行きのフェリーが出る前に、大久野島のまだ行っていないスポットを攻めておきます。
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島の南端にある海水浴場と灯台。海水浴場はかなり小さくて安全に子供を遊ばせたい家族連れにはいいかもしれない。向こうに見えるのが大三島です。
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打ち上げられたクラゲの死骸にのせられたカシパン(ウニの仲間)。いったいどこのブロガーがこんなむごいことを…犯人はみかんを積み上げている写真などをプロフィールに用いているに違いない…
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大久野神社という小さい神社があり、境内で抱き合うウサギたちを発見。平和を願っているのか、田舎の高校生よろしく不純異性交遊に走っているのか、判断に苦しむところです。
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ウサギの耳の形をした集音機。間に頭を入れて音の聞こえる方向に向けるといろんな音が拾えるらしい。あまり効果は実感できませんでしたがかわいらしいオブジェです。
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大久野島毒ガス資料館。内部は撮影禁止なので展示物の画像はないのですが、この島で戦時中に行われていた毒ガス製造の工程や、イラン・イラク戦争での毒ガス兵器による被害の写真を見ることができます。変わったところでは軍馬の防護服などもあるけど、どう見ても被害を免れるとは思えない出来。
製造に関わった工員・学徒から敗戦後除去作業に入った人々にも深刻な健康被害があったといいます。今も土壌のヒ素残留濃度の問題があるらしい。
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島の風物などを紹介する大久野島ビジターセンター。こういう施設の例によってまったく人気がないのだけど、うさぎ島の写真集を撮った人の写真展があったりとなかなか楽しめました。

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あのザ・無表情で知られるウサギから多彩な表情を引き出していてうらやましい…メレ山もウサギ撮りに挑戦や!
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「エサがほしいエサがほしい」
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「もっとほしい」
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「もっともっとほしい」
ダメだ!食欲の鬼以外の表情をとらえることができない!
大久野島にウサギがこんなに繁殖した理由としては、別に工場の実験動物がどうこうではなく1971年に小学校で飼いきれなくなったウサギ八羽が放されたのがきっかけのようです。ヒ素等の残留を調べる意味合いもあったのかもしれませんが…。当時は白ウサギばかりでしたが、ウサギを捨てていく人がいるためにいつのまにか多彩な色合いになってしまってますね。ひどい。
朝の二時間程度で以上のコースをめぐり終え、すっかり満足して休暇村の前でおやつを食べていると…
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なんか異常にホコリまみれのカブを発見!何があったのか?
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メレ子「フフ…樹上で対甲虫戦を繰り広げるときに相手を跳ね上げるべく欠かせない二本目のツノも、メレ子にかかっては『カブを持つのに便利極まりない場所』でしかない!」
斉藤さん(カブ)「イヤー!死ぬ!今度こそ本当に死ぬ!」
だから何があったのか斉藤さんよ…と思っていたら逆襲された。おもにウサギと虫に大人気なわたしの内もも。

国宝と塩の島

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そしてついにフェリーで大三島の盛(さかり)港へ*2。実はこの港は大三島の中ではかなり孤立していて、ここに着いてからタクシーを捕まえようと思っても大山祗神社(おおやまずみじんじゃ)には行くことができません。なので、盛港を利用する場合は休暇村でタクシーをあらかじめ手配してもらうことになります。このタクシーが片道2500円くらいかかってしまうので注意!
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ここが大山祗神社。海上交易が盛んだったころの瀬戸内海の交通の要所にあり、伊予国一の宮として名高い神社だそうです。
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鳥居をくぐってまず目につくのが小さな斎田。「愛媛県無形民族文化財 一人相撲が奉仕されます」…???
大山祗神社 - Wikipedia
一人相撲とは、稲の精霊と人間代表が三番勝負ですもうをとり、精霊が勝つとその年は豊作になるという神事らしい!人間代表の人がすごい頑張ったあげくに1勝2敗する感じにするのだとか…これはかなり面白そうですね。そしてこれを一人相撲と呼ぶのは、豊作をかけて戦っている人間代表の人がむなしくなってしまうのではないかと危惧します。
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この神社の目玉はなんといっても国宝館です。なんと全国の国宝・重文指定を受けた武具類の八割がここにあるんですって!平清盛源義経護良親王など錚々たる顔ぶれが薙刀や鎧を奉納しているんだねェー…
といっても正直、武具類は全部いっしょに見えてしまい、仏像などと比べて宝物度がわかりにくい。いちばんキャッチーなのは日本唯一の女性用鎧でしょうか。これは大三島を護った武将の娘・鶴姫が着用したもので、胴がきゅっとくびれています。あとは斉明天皇が奉納した禽獣葡萄鏡がとてもかわいい!ブドウのツタとけものが細かく彫刻された真ん中に、ヒキガエルみたいに獅子が一頭はいつくばっている鏡です。
国宝館の横には海事博物館という、昭和天皇の海洋生物研究にかかわるいろんな標本が展示されている施設もあります。ここものぞいてみると楽しいですよ。

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クスノキの巨樹群*3も有名で、超巨大なクスノキが境内に数本あります。上の「小千命御手植の楠」を見て満足して帰られる方も多そうですが、ちょっと待ってほしい。
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奥の院への参道にある「生樹の御門(いききのごもん)」です。
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クスノキの根っこが門みたいになっていて、くぐるのが楽しすぎる!
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クスノキはもともと大樹になりがちな木だけれどこれは壮観です。大三島に行ったらぜひくぐってみられたし。

さらに一時間ほど余ったので、神社横の道の駅で名所を聞いてみると「宮浦海岸っていうきれいな海岸があって、あと海水温泉と伯方の塩の工場があるけど、1キロくらい離れてるから温泉にはちょっとしか入れないねー」とのこと。しかしここで入っておかないと後悔しそうなので猛ダッシュです。
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というわけで海岸沿いに並んで建つ「マーレ・グラッシア大三島」と「伯方の塩 大三島工場」をハシゴしました。マーレ・グラッシアは海水浴後に便利なスーパー銭湯っぽい感じで、風呂の種類がいろいろあって楽しいし、お風呂から海を見ることもできます。海水温泉は傷の治りが早くなるらしいです。伯方の塩工場は塩の製造工程が実際にガラス張りで見られてかなり楽しいんだけど、なんかものすごい勢いで撮影禁止されていて残念…!「チャーリーと塩工場の秘密」的ななにかなのだろうか。とにかく一生分の塩を見ました。もはや塩というか山だった。
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見学でもらった高級料理塩と、伯方の塩ソフト。もともとしょっぱいもの好きなのですが、塩の偉大さにひとしお感じ入りながらおいしくいただきました。


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心地よい疲れを感じながら忠海まで戻り*4、あらかじめ指定席をとっておいた「瀬戸内マリンビュー」に乗車。瀬戸内マリンビュー呉線の景観を生かした特別車両で、18きっぷ使用の場合は510円を払って指定席を取ると乗ることができます。行きの電車は学生さんがたくさん乗っていて通学用ローカル線の雰囲気が濃かったけど、マリンビューは「リゾートしらかみ」みたいな観光列車なの!
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窓も大きいのでぞんぶんに瀬戸内海の景色を楽しめますね。忠海〜三原間なので20分くらいしか乗れないのだけど、いつか三原〜呉間に乗車して広島本土の観光もしてみたいです。
それにしてもまったく体力のないメレ山でも「もう足がしんどい…でも海水温泉とかブログに書きたい…」と思うとけっこう足を伸ばせてしまうもので、ブログ脳って怖い!と思いました。


大久野島・大三島 -a set on flickr-

*1:マジでこれくらいのことしか書いてなかった

*2:ちなみに大久野島大三島は船で十数分ですが、大久野島広島県大三島愛媛県になります。

*3:天然記念物指定

*4:このコースだとタクシー代が往復5千円になるんだけど、旅先で情報がなかったのと瀬戸内マリンビューに乗りたかったのでこういう旅程になってしまいました。最初から大三島にも行くつもりで計画を立てる人はいろいろ別のやり方があると思います