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メレンゲが腐るほど恋したい

旅行記や生きものの話を写真多めの長大な記事で送ります

奈良公園のエキサイティング年中行事「鹿の角きり」

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毎年奈良公園で行われる鹿の角きり。「鹿がツノをギーコギーコされる行事があるらしい」と知ってはいても実際に見たことはない、という方が多いのではないでしょうか?そんな頭デッカチなことではいかん!メレ山がたまたま通りがかったのをいいことに、角きりの詳細についていばりくさってレポートします。
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先の土曜日「人間様からエサをもらうことに馴れきったシカの間抜け面でも写真に撮ってブログの埋め草にするか…」と奈良公園を歩いていると、鹿苑*1で角きりが行われるとの立て札が。どうやら11・12・13日の三連休で行われる角きりの初回に間に合いそうなので、あわてて千円を払って入場しました。こんな闘牛スタジアムのようなところで行われるんですね。
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すごいカメラで鹿を撮る気マンマンの人と、通り雨がやんだことに気づかず傘をさしつづける人。鹿を見せてけれ…!
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神事とえらい人のあいさつをしている。角きりは神使として保護されたために増えた鹿が人や同類を傷つけないように、1671年から行われているそうです。
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開会式が終るといよいよ鹿が角きり場に放たれる!「あなや」「あな、おそろし」「あなやー」かなり怯えているようです。
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「鹿刺しにされちゃうぅぅぅ」しねえよ!まあ鹿刺しはおいしいけど…うん…すごくおいしいよね…
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「どない…どないなっとるんや!オマエが仕掛けたんかー!」「何言うとるんや!」(ガッキ)錯乱しすぎて鹿同士でケンカしており、もはや「これは極上干し草とかをつかまされてコントを演じているのでは…」と思ってしまうレベル…。
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「おおおおおおおおおおおおtおちっっちちtおちttつk」泡を吹きすぎ!この泡を客に説教するタイプの喫茶店主(店内にはあらまほしい客についての貼り紙がベタベタ貼ってあるが、コーヒーに猫の毛が浮いている)のカプチーノに浮かべてみたいワー
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鹿を捕らえるのはハッピを着た勢子(せこ)という屈強な男たち。十字という昔ながらの投げ縄を使って鹿の角をねらいます。
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「ウリャー」「ギャー!俺様の男性のシンボルになんか引っかかってるゥー」
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あっという間に鹿が捕えられ、神官役が鹿を落ち着けるために水を飲ませたあと、角を切り取ります。切り取った角は会場外で記念品として売られるようです。
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「ヤバイ…あんな姿になったら生きていかれへんがな…どうやって女の前に出らりょうか」
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次の鹿は角に縄をかけられたまま逃走!ベテランの勢子から「鹿の前にまわるな」と指示がとびます。いつもと違い野性むき出しの鹿はかなり危険なのです。
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衝突すれば骨の一本や二本いってしまうし、角が刺されば大怪我をします。そりゃわたしだって宇宙人にさらわれて「お前のためを思ってやってるんだ」とテレパシーで語りかけられつつ虫歯の治療をされそうになったら、普段からは想像もつかない怪力で抵抗するだろうね…
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勢子が縄をつかもうと飛びかかっては失敗!人間の男と鹿の男の魂のぶつかり合いや!
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ついにこの鹿も捕まってしまいました。
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先ほどと同じくギリギリと縄を引いて柱に引き寄せます。柱は角きり場内に二箇所あって、観客からよく見えるようにどちらの柱も使って見せてくれます。
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動けなくなった鹿をはがいじめに行く。ここは特に危ないところらしく、見ていても緊張します。
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勢子がよってたかって押さえこむ。ここで後ろにいた夫婦の夫が「闘牛みたいに一対一でやらな卑怯や」とコメント。闘牛だってぜんぜん一対一じゃないゾ!
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途中でポキンと音がして、どうやら角の一部が欠けてしまったようです。さらに夫が「鹿もコツソショーショーなんや」誰がうまいこと言えと…
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鋸で角を切っています。角質化しているので痛くはないですが、振動が頭にひびきそう。
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神官「角とれたデー」
鹿「もう…死んでしまいたい…」
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勢子が注意しながらパッと鹿から離れます。
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「ウワァァァァァン」
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「今に見とれよ…おのれらの家にしのびこんで黒コショウのビンにオシロイバナのタネをつめかえたる!神罰じゃー」
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スタジアムから鹿苑にもどった鹿。落ち着いたらまた奈良公園に戻されるのでしょう。このようにして会場では一日三回角きりショーが行われます。オス鹿は奈良公園に三百頭弱いるそうですが、全部こんな大変なやり方をしてるのかしら?
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ちなみに↑は初夏の鹿の角。たとえ角きりされなくても冬に古い角はポロリと落ちて、春から新芽のように角が出てきます。このときは袋角といって産毛も生えているし血が通っているので、ケンカに使ったりはしないんだそうです。秋になって角質化してきて、「草食系男子だが、強い者がいい女を手に入れる!」と言い出したら観光地が阿鼻叫喚になってしまうので角きりをするんですね。
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角きりは人と鹿が共存*2するフシギな町・奈良を守るためにできたエキサイティング年中行事だったというわけです。この感動を、大仏や鹿に大喜びの外国人旅行者にも伝えたいのですが「ディア、キャッチ、ツノ、カット」と言って連れて行っても「NO!虐待NO!」と怒り出すかもしれず、もっと流暢な解説が望まれる…。


鹿の角きり -a set on flickr-

*1:ろくえん。ふだんは気性の荒い鹿や病気の鹿を隔離する施設

*2:といっても鹿の増えすぎによる人家への被害や交通事故など色々な問題があるようです