メレンゲが腐るほど恋したい

旅行記や生きものの話を写真多めの長大な記事で送ります

天川村の絶景わらびもちと、円空仏だらけの観音堂

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奈良県天川村観光の続きです。

天川村資料館で見た戦争の爪あととふざけたタヌキ

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「B29のエンジンが展示されています」という貼り紙につられ、天川村資料館にも入ってみました。山伏ルックしてホラ貝を吹いてみたいなー
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1984年に、大峯山寺の解体修理中に発見された2体の黄金仏の写真。
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これも大峯山から搬出されたB29のエンジン。こんな形してるんやねー
22万人の被災者を出した第2回大阪大空襲で、日本軍の対空砲火により天川村に墜落したものだそうです。投降した米兵のうち2名は両手を上げて大峯山寺本堂に入ってきたといいます。戦後に機体のほとんどが搬出されましたが、エンジンは分解できずに放置され、谷で朽ちかけていました。
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「えらいぶっそうなモンが落ちてきたんやな」「ほんまこわいワー」
資料館におなじみの剥製大会。あたしゃ山中ではアンタらにも極力会いたくないよ…
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「ポンポコー」
こ…この豆狸は…ちょっとオフザケがすぎますよ!大好きだけど!

もうひとつのみかん山モノレールとマエストロのわらびもち

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そして五代松鍾乳洞でモノレールに乗れなかった人に朗報です。洞川にはもうひとつ面不動鍾乳洞というのがあり、ここでもみかん山モノレールに乗ることができます(そこまでしてみかん山モノレールに乗りたい人がどんだけいるか知りませんが…)。こちらは歩いても8分で登れるので、競争率が低いというのも狙い目です。
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山上が岳と洞川の町を一目で見渡せるのもポイント高い。
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さらにここまで来たら絶対に食べるべき鍾乳洞前の茶屋のわらびもち。
A氏の旅行生活:みかん山モノレールで鍾乳洞見物(その2)とわらびもち(奈良県洞川温泉面不動鍾乳洞)
こちらのページでものすごくプッシュされていたので、「わらびもちでそんなに差がつくの…?」と思いながら頼んでみました。運んできたおばちゃんも「このきな粉ね、おばちゃんが朝に挽いたやつ」と自信をうかがわせるので、ひとつ食べてみたところ…。
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ンマー!プルプルのわらびもちにかかった荒挽きのきなこがすごく香ばしい…そしてわずかな塩と甘さのバランスが最強!わらびもち経験値の低さを差し引いても、こんなにおいしいわらびもち食べたことない…まさにわらびもちのエポックメイキング…
きなこを残さず舐めとってお皿を返しにいくと、わらびもちマエストロが「いかがでした?(フフフ…)」と訊くので「おいしすぎます…特にきなこが!きなこが最高です!」と答えると「フフフ…そうでしょう…」と満足そうでしたが、本当にナットクのおいしさでした。

みたらい渓谷・恐怖の遭難スレスレツアー(死体もあるヨ!)

ここからは洞川を離れ、川下の天川川合に7キロのみたらい遊歩道を使って下りる予定でした。予定でしたというのは、結局たどりつけなかったからです…。
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洞川温泉センターの横から渓谷遊歩道に下り、超シンプルな道を歩いていたつもりでしたが…
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2、30分でいったん車道に出るはずがいっこうにその気配がないのでアレ?と思いはじめる。
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この橋の崩れっぷりはあきらかにおかしい。杉林で林業の人がつけた道もあり、どれが正解なのかよくわからない…誰かに道をききたいがまったく誰も通らない…
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洞川の各所で集めた地図を見ても「平坦な道」であるはずなのに30度の山道を登っている。超ドキドキするのをおさえながら必死で来た道を戻ります。
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あ、このダムみたいの見覚えがある。ここまで来ればもう大丈夫だワ…なんで迷っちゃったんだろう。渓谷でギンリョウソウでも探そうと思ってたけど、もう洞川温泉に入ってバスで川合に下ろう。あーおそろしかったワー
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ちょっと安心してダムみたいな施設のコンクリートの水槽みたいなところをのぞくと、むっと異臭が…中になにかの動物が死んでいるみたいです。
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ほとんど原形をとどめていないけど、この体色と短い角は…天然記念物のニホンカモシカ!?死体なのがちょっと残念だけどコレはラッキー!異臭がしてなければ角の一本ももらいたいところなんだけど、と最初は能天気に思いました。
しかしよく見ると、穴の中にはカモシカだけでなく数匹ぶんの骨があり、どうにも異様な感じが漂ってくる。右の写真には、なにかの小動物の白骨と腹を裂かれたカエルの死体まで写っています。どんどん薄気味悪くなってきた…しまいには「杉林の中から殺人鬼があらわれ、メレ山が死体コレクションの末席をいただく」という妄想まで浮かんでくる始末。恐怖に半泣きになりながら洞川に戻りました。アレはいったい何だったのだろうか…。謎の穴に関する情報があれば誰か教えてください。
この件で自然にビタイチ興味がなくなったため、バスの時間まで洞川温泉に入っておやつを食べながら「文明…文明サイコー」とつぶやいてました。

円空仏がいっぱいの栃尾観音堂と、芸能人に大人気の弁財天

天川川合に着くと、予約したタクシーが待っていました。洞川と川合に1台ずつしかタクシーがないため、予定があるときは早めに電話しておくのが得策です。バスは2〜3時間に一本しかないところですからね。
おっちゃん「お客さんみたらいで迷っちゃったの?」
メレ子「なんか杉林で迷っちゃって…超こわかったです」
おっちゃん「前に乗せた人も同じところで迷ってすごい時間かかっとったねー。よその人には案内が少なくて不親切みたい。でも地元の人にはわかるんだよね」
この日はちょっと離れた山でも遭難者が出たり、あと近所のご老人が山に入っちゃったかもしれないとかで、いろいろ大変な感じでした…。山はおそろしい。
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円空の彫った仏像が安置されている栃尾観音堂に連れてきてもらいました。
メレ子「え、こんな小さいんですか…」
おっちゃん「うん。ホラ、ここで靴脱いで入って(ガラガラ)」
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メレ子「ヒー!一体でも億じゃきかない円空仏がこんな近くに…こんな無造作にッ…」
おっちゃん「え、億とかするの?」
メレ子「わたしも詳しくないですけど、そもそも値段つけられないような価値のモンだと思いますよ…コレ泥棒とか大丈夫なんですか?」
おっちゃん「うん、センサーついとるから。っていうかいつもはワシが来ると、ここの管理してるじいちゃんが出てきてガラス開けて見せてくれるんやけどな。今日は畑でも行っとるんかな」
メレ子「じいちゃーん!じいちゃんどこォー!!!!!」
じいちゃんが帰ってきてくれなかったことだけが心残りです…。
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左から
▲大弁財天女立像
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聖観音菩薩像の胎内仏
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聖観音菩薩像
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▲金剛童子立像
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護法神
と並んでいます。全部の仏像がまっすぐ前を向いているわけではなく、この並びでいいのかはわからないそうです。円空仏であることが見出される前は川でジャブジャブ洗ったりしてたんだとか。正直わたしも、円空や木喰らの素朴さをウリとする価値ある仏像とほかのみつをテイストな仏をブラインドテストで見分けられるかというとあまり自信がなく、こんなのが紹介していいのかという気持ちでいっぱい…。でもこの護法神はすごく好きです。
おっちゃん「護法神はほかのを全部彫ってから残りの木で作ったんやって。やから背中にはすごいナタのあとが残っとるんよ」
メレ子「わたし、これがいちばん好きです!すごくかわいい!」
おっちゃん「そうなんや。人それぞれやね…」
メレ子「(ガビーン)」
円空仏はだいたいどこの寺でも秘仏扱いになっているようで、肉眼で見ること自体かなり難しいのですが、ここでは4体を一気に間近に見ることができる…おそろしいことです。
おっちゃん「よそにお移ししようっちゅう話が出たこともあるらしいけどな、仏さんがイヤやって言わはんのやって」
メレ子「やっぱりこの小さなお堂で見られるというのがいいですよね〜」


次は天河大弁財天社に向かいます。弁財天といえば技芸の神様ということで、実は知る人ぞ知る芸能人のメッカなのだそうです。タクシーに乗りながら

  • 坂本龍一細野晴臣喜多嶋舞長渕剛など枚挙にいとまがない
  • タモリも夫婦で来たことがある
  • 長渕剛が来るときは吉野の高校の子たちが自主休校にしてしまい、タクシーに単車で横づけしたりするのでおとりの車を出したほど
  • 金運の神様でもあるのでバブルのときは企業家がたくさん来た
  • 新幹線に乗りたくないのでプライベートジェットで来たり、天候等で出せないときは新幹線の席を二人分買ったりして来る

等々、オモシロ話をいろいろ聞くことができました。やっぱり芸能人ってゲンをかつぐんだなあ…(タモリは仏像とか寺社が好きなのかもしれないけど)
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弁財天像は60年に1度のご開帳でしか見ることはできません。
ブログも芸事のひとつということで、「メレ腐にガッポガッポアクセスが来ますように…」とお願いしておきました。そう…ガッポガッポとね…


天川村はほんとに素敵なところで、次回はもっと長く逗留したいです。村の人にも「旅館の若旦那たちになかなか嫁のきてがないんやけど、アンタ山とか寺が好きならどうねw」と冗談で言われ、「若おかみ・メレ子…」と内心本気で検討したくらい(しかし厳寒地帯なので泣く泣くあきらめました)!


天川村 -a set on flickr-