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メレンゲが腐るほど恋したい

旅行記や生きものの話を写真多めの長大な記事で送ります

この夏、タイでゾウに乗って森の王様になるのはどうか?

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「ワイはアホや!アホの王様や!」
みなさん、夏休みの予定はお決まりでしょうか?わたしは例によってはげしくキメていて、父と姉といっしょにボルネオで野鳥とか昆虫とか観察する予定なのですが、まだお決まりでないという方はタイでゾウに乗るというのはいかがでしょうか。アユタヤなどでもゾウに乗るだけなら乗れますが…これから紹介するカンチャナブリーのゾウツアーは、乗っている時間も30分と長く、林の中を歩くので冒険度が高い、そしてなによりアホの王様になれる!!という利点があるのです。

タイの田舎の朝市見学

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ラフトハウスに泊まったミステリーハンターの朝は早い。
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前日は泰緬鉄道とタイガーテンプルを楽しんだわたくし。アレンジをお願いした日系旅行社のICHIOSHI THAI VIPでは、タイガーテンプルもエレファントライドもバンコクから日帰りで行けるツアーもやっています*1。でも、ゆっくり見てまわりたいし、クウェー川に面するこのラフトハウスに泊まりたかったので、メールで見積をお願いしたわけです。そんなに何日も休暇とれないし、現地で慣れない値段交渉とかしてもボラれそう…なので、ワイルドさはおもにちょっとだけお金をがんばって買っています。見たことないものをちょっとでもたくさん見て死ねるように、残業がんばるぞ〜!!
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朝のまだ涼しい空気の中、日本語ガイドのBoyさんとドライバーさんと集合。「ゾウに乗る前に、朝市に寄っていきましょう」とのことです。
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Boyさん「コレは…エー…『ウリ』ね。コレはバナナ。コッチはなんていう?」
メレ子「カボチャ?」
Boyさん「そうそう。カボチャ」
朝市見学はなぜかだんだん「Boyさんに野菜の日本名を教える会」の様相を呈しはじめている。あまり人の姿は見えないので、これから賑わってくるのか、地元の人が来るのはもっと早いのか、もしくはおもに観光客向けの市場なのか…はよくわかりません。
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これは魚の発酵食品っぽい。鮒ずしみたいなものかな?どんな味がするのだろう。
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これはフォーにのせて食べるとすてきなことになる薬味の詰めあわせ!これが日本のスーパーでも売られていたら、毎日簡単にフォーが食べられるんだけどなあ…
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Boyさんが短いバナナがたわわに実った房をひとつ買ってくれました。沖縄で言うところの島バナナに近いのだろうか、より熱帯を感じさせる味でおいしい。

林の中から、野生の猿があらわれた

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また少し走ると、車はどこかの林道にとまりました。「?」と思いながら車を降りると、フェンスの向こうにちらほらと尾の長いサルの姿が。
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「何度来ようとムダだ!このいい感じの袋はやらんぞ!」
なんならイトーヨーカドーの袋とかマルショクの袋とかあげるけど…
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じりじりと距離をつめてくるサル。
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Boyさんがいくつか余った島バナナを投げるとうまいことキャッチ。Boyさんはもともとサルにあげるつもりで買ってくれたのかもしれませんが、島バナナの美味に目ざめたメレ山が予想以上に食い尽くしていたため、サルたちの怒りもひとしおであった。
Boyさん「バンコクのずっと北のほうには『ロッブリー』という町がありマス。そこにはサルがもっとずっといっぱいいるのヨ。遠すぎるから今回はダメだけど、サルを見せようと思って…」
メレ子「ロッブリーも行ってみたかったんですが、サル分が満たされて非常に満足しました!」
ロッブリーはクメール式の遺跡が残る古都ですが、奈良がシカに支配されているのと同じようにサルに支配されていて、サルがどんどん体にのぼってくるのでおそろしいらしい。奈良ですっかりシカが天敵になってしまったので、ロッブリーに行けばきっとサルも天敵になってしまうことでしょう…

いよいよアホの王様に就任!大興奮のエレファントライド

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そしてさらに車を走らせ、ついにエレファントキャンプに到着しました。この地域にはいくつかエレファントキャンプがあるらしいが、ここの名前は聞き逃したので不明。
朝もやの中、観光客が次々とゾウに乗って帰ってきていて興奮します!
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子ゾウもくっついている。親が引き離すと怒ってしまうので同行するようです。
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楽しそうにしよってから…早く調査させろ!!
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ゾウにひざまずいてもらって背中によじのぼるのかと思っていたが、このコテージから乗り移るらしい。ゾウの背中には安全と安心のベンチがついております。乗ってみると意外と安全と安心でないのだが…
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おそるおそるベンチに乗って、ジャングルへと出発!ゾウ使いの人は首のところに直乗りしています。なんかゾウとの距離が近くてうらやましい。
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動いてるゾウの首の上に立って、なにか葉っぱを集めたりしている。なんという運動神経・アンド・ゾウとの関係構築力…
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「い、意外と高さがあって揺れるのでおそろしかったりしないんだからね!」
完全に顔がこわばっています。
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木の梢がかなり近くにあって、枝が目の前にきたりしそうになるとゾウが枝を折り取ってくれる。ゾウ使いもすごいが、ゾウもかなりのプロフェッショナル…飲み会で周囲のグラスが空になっているかどうかにさえ気を配るのが難しいため、もはや気がきかない人として認知されることを望んでいるメレ山としては、ゾウに劣等感をおぼえるところであった。気がきかなすぎる人によくあることですが、わたくしも気のききすぎる人が苦手…ビールの泡がなくなったといって新しいビールを頼んでくれたり焼き肉がぬるくなったろうといって新しい肉を焼いてくれたりする人をねぎらおうとして「お父さんみたいやね〜」と評し「男として見てない宣言みたいなほめ方するのやめてよ!」と怒られたし、よく考えたらうちのお父さんはそんなことをする人じゃなかったし、もうふんだりけったりです…。
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謎の回想からメレ山を現実に呼びもどすためにあらわれたツムギアリの巣。樹上に葉っぱをボールにしたような巣を作って暮らしているのです。働きアリが幼虫を口にくわえて持ってきて、幼虫が口から吐く糸を接着剤にして葉っぱをくっつけているというから驚き!
かなり凶暴なアリですが、食用にもされているようです。レモンの味がするんだっていうけれど、こんな咬まれたら痛そうなのをがんばって食べなくてもレモンを食べればいいじゃないと思うのは間違っているかしら…タンパク源が手に入りにくかった時代ならまだしも…。
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必死でツムギアリの写真を撮っている間に、ゾウは小腹がすいたらしくつまみ食いをしています。鼻で竹をへし折って食べていたりして、噂に違わず力持ちである。ゾウ使いの人はさっき取った葉っぱで何かを作っているが、何をしているのだろう?


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ゾウ使い「ホレよ(的なことをタイ語で言っている)」
メレ子「何コレ!!くれるんですか?マジで?」
なんと、作っていたのは葉っぱの王冠だった!こんなのをサクサク作ってしまうなんてすごい。
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メレ王「ワイは密林の王様や!!みんなひざまずけ!」
どう見てもアホの王様ですが、気分は最高です。
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ゾウ使いの人たちが住んでいるところなのか、川沿いには何軒か家が建っている。
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ゾウの上から写真を撮るのに夢中になっていたら、王冠を落としてしまい、10分で失地王に。ゾウ使いに「ソーリー…」と言いながら王冠を拾ってもらうと、ゾウ使いはゾウの上に戻らず、わたしに頭の上に乗るように指示!そうきたか!
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「コッチのほうが安定性が高い!」
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王座についた感想としましては、ゾウの耳のうしろが存外あたたかいです。
ゾウ使いの人は慣れた調子でデジカメを受け取り、残撮影枚数が心配になるレベルでシャッターを切りまくってくれます。いまだに写るンですとか使ってる人は旅の思い出がゾウだけになってしまう危険性が高いので、それもまたよしかもしれませんが注意してください。
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ついでに子ゾウの写真も撮っておいてくれたらしい。子ゾウは親以上に歩くのに気が進まない様子を見せています。
ゾウはゾウ使いが降りたとたんに注意散漫な様子を見せはじめ、ゾウ使いがちょっと別のスタッフと業務連絡的な話をしはじめるやいなや、貧乏ゆすりをしたり木に体をこすりつけてかゆいところをかいたりしたので、アホの王様としては非常におそろしかったです。
最初は地味に耐えていたのですが、「そういえばゾウは動物園でも、自分の飼育係が園長など目上の人にペコペコしていると『こいつは別の人にペコペコしとるのにワシがこいつにペコペコする理由ってそういえばあったんだっけ?』と思いはじめて、飼育係の足を踏んで骨折させたりすることもあるので、ゾウの飼育係はゾウの前では目上の人にもフラットに接するのが鉄則であるというくらい上下関係には敏感な生きもの…そのうち『ゾウ使いさんがおらんならこんなジャパニーズブロガーをのせておく義理はないんだゾウ』と振り落とされてしまうのでは?」と考えはじめると恐ろしくなってきて「ヒィー」とかぼそい悲鳴を発したら、ゾウ使いがすぐ戻ってきてくれて事なきを得ました。ゾウこわい…

多才な子ゾウに森の覇権を奪われる

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Boyさん「ゾウどうだった?」
メレ子「すごく長く乗れてよかった!タイガーテンプルよりこっちのほうが楽しいです!!ちょっとこわかったけど…」
Boyさん「そうでショ〜。これからココでゾウのショーあるよ」
メレ子「やったー!」
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しかし、おとなしく待っているとさっきまでたくさんいた団体客は帰って行ってしまいました。どうやらちょうど終ったところらしい。客はわれわれ以外にいないので、もうショーは見られないのだろうか?とションボリしていると…
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Boyさんが「ねえねえ、いつものアレやってよアレ」的なことをタイ語で子ゾウ使いの人に言ってくれて、子ゾウが唐突に芸をはじめました。夢にまでみた子ゾウの寡占状態が実現!(そんなピンポイントで夢みてはいないが、サイレントマジョリティを考慮すると夢みていたといってもいいくらいにはゾウが好きです)
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モデルのようなポーズをとってくれている子ゾウの横で写真を撮ることを許されるが…白目のところが広すぎてガン見されていることをより意識させられおそろしい。前述の飼育員侮りエピソードとともに、「人間以外の動物に白目がないのは、獲物や捕食者に目の動きで次のアクションを悟られないためである」というエピソードが思い出されますが、わたしが自意識過剰なのでない限り、この人どう考えてもわたしのこと見すぎてる…
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Boyさん「ハイチーズ〜」
メレ子「なんか横の人、動きが不穏じゃないですか…ねえ…普通こういうとこの動物って興味ゼロって感じにされるのに慣れてるんだけど…」
次の瞬間、やつの視線の理由が明らかに!
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「ああっ!ヤメテ〜!」
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子ゾウ「今こそ森林の覇権を我が手に取り戻すとき!」
メレ子「子ゾウのくせに頭よさげなしゃべり方しやがって!っていうか返せよ!」
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メレ子「ワイの王冠かやせ!かやせ〜!!」
子ゾウ「フハハ、もうちょっと鼻を伸ばしてから出直してくるのだな」
メレ子「そのしゃべり方ヤメロって言ってんだろ!ムキィー」
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子ゾウ「あー忘れてた、写真ね写真。ハイポーズ」
メレ子「この上なく失礼な行為に及んでおきながらポーズだけ維持してんじゃないよ!何が人にいちばん屈辱を与えるか知悉してるだろお前」
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王冠とられたの、わりと本気でショックだった…それにしても、この自在すぎる瞳孔がまるで人工物のような肌質との対比で、中に人がいるみたいに見えてこわい。
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子ゾウ「お嬢さん、おそろしいですか?ではレッツミュージック!」
王冠を食べたことでメレ子に興味を失った、というかもとより王冠にしか興味のなかったゾウは、次にハーモニカを吹きはじめた。おやつに竹を折り取るくらい力持ちで権力にもセンシティブ、弱者に屈辱を味あわせる知能と冷酷さにくわえて芸術を解する能力および器用さを持ち合わせているとは…この動物が現在絶滅の危機に瀕しているなんて、なにかの陰謀がはたらいているとしか思えない。
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「♪パー ポー パー(おじぎのメロディー)」
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「逆立ちもできるで!」
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「思い知ったか、この多才ぶり」
やっぱり目がこわい…
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「特別サービスで口の中も見せてあげよう。カラッカラに乾いているのがわかるかな?」
ハイハイ、わかりましたよ…
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新たな覇王に牛乳を買って進呈する家臣。子ゾウ王朝の幕開けです。
ゾウがひとつ芸をするたびに、Boyさんが「もっとあるだろう」的なことを言ってくれたので、ゾウのスキルフルさが満喫できてよかったです。ゾウになら支配されてもいい…ノルマ分の竹をとってこれなくて鼻でひっぱたかれたりするだろうけれど…
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Boyさん「耳の横から油みたいの出るとヤバい」
メレ子「えっ、それは…病気とか?」
Boyさん「ううん。エッチしたいとき」
メレ子「何ィ!!」


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帰省ラッシュで(このときはお正月休み)道が混む前に、ということで車はバンコクへ。途中でカンチャナブリー連合軍共同墓地にも立ち寄りました。前回の日記で日本軍が築いた泰緬鉄道に乗りましたが、建設のための強制労働に駆り出され事故死したり、飢餓や病気で亡くなった連合軍兵士を葬った墓地です。南国の花が植えられ、非常にきれいに整備されています。
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タイの旅日記はいったんここで終了です。今後行く機会が増えそうなので、カオヤイ国立公園などにも行ってみたいものですね(やはり気持ちは動物・昆虫寄りに…)

エレファントライド・サイアム水族館 -a set on flickr-

*1:詳細はhttp://www.ichioshi.org/tour/tour01/Tigar_temple/index.htmlなどのツアーページ参照