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メレンゲが腐るほど恋したい

旅行記や生きものの話を写真多めの長大な記事で送ります

ボルネオ家族旅行・テングザルを探すマングローブクルーズ

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巨大な食虫植物に消化されるブロガー

今年の夏休みは、父・長姉・次姉といっしょにボルネオに家族旅行に行ってきました。お父ちゃんをはじめての海外に連れて行こうという企画でしたが、ついでに昆虫の写真なども、フフフ…との欲目がたたり、上の写真のようにとんでもないことになりました(メレ山メレ子は、死んでもブログを書くのをやめませんでした…)。
家族旅行なんて小学生のころのキャンプ以来のメレ山家。ボルネオで謎のガイド「どうぶつ先生」に翻弄される一家の珍道中をごらんください。

テングザルリバークルーズ

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「ボルネオってどこにあるんだっけ?」と訊かれすぎ、最終的には「南米です」「最果てです」となげやりに答えていましたが、ボルネオはマレーシア・ブルネイインドネシア三国に分かれる島です。スケジュールの都合で、わたしと大分から来るお父ちゃんが羽田で集合し、長姉子と次姉子が待つボルネオに向かうことに。手前の灯はボルネオ一の都市であるコタキナバル(通称KK)、そのうしろにそびえているのがキナバル山。のちにこの山がわれわれを苦しめる。
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HISのパックツアーでセットになっているホテルをそのまま予約したのですが、このホテルは空港とコタキナバルの町のちょうど中間くらいのところに位置していて、ジャスコだかイオンモールだかみたいなものといっしょになっていた。もっと市内のホテルにしてあげたらよかったと反省…
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お父ちゃん「ボルネオの野鳥の図鑑を買いたいんやけどなあ」
メレ子「ダメだよお父ちゃん、ここは大分でいうとゆめタウンだから、入ってる本屋はさしずめ明林堂書店だよ。そんな専門書とかはないと思うよ。あっ、でも伊藤潤二はあるねえ」
お父ちゃん「明林堂はアンタが連載してる雑誌おいとらんで注文せんといけんかったわ」
メレ子「お母ちゃんも『大分は日本やない』ってお怒りやったで」
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その後めでたく長姉子・次姉子と合流し、現地ツアー「テングザルとホタル鑑賞のリバークルーズ」へ。バスに乗って二時間ほどで、市内から100km郊外のクリアス川にやってきました。
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猫「食うもの食わんと乳もよう出ませんワ」
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船着場のすぐそばにロッジがあります。
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揚げバナナでおやつタイム。
長姉子は合流までの数日間、コタキナバルからさらに飛行機に乗り、ダナンバレー自然保護区に一人で行っていた。「オランウータンがキノコを食べていてとてもかわいかったしキレイなクモがおったけど写真うまく撮れんやった、あと充電器も持ってこなかったから、あとで合流した次姉子に写真を見せてるときに電池がなくなってしまった…」とのことで、わたしよりアクティブなのにまったくブロガー気質でないなあと思いました。
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つもる話などしていると、ロッジの近くにサルの群れが。
これは今日見る予定のテングザルではなくカニクイザルだそうです。あまりかわいくはないです(サルは人間に似ているので、突き放した感想になりがちです)。
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しばらくすると船の準備ができました。ライフジャケットを着て出発!
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マングローブの中を進んでいく。いろんな国の人が乗ったツアー船がありますが、日本人がかなり多いですね。
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珍しいものを見つけると、器用に船を回してガイドに伝えてくれます。これは日なたぼっこ中のミズオオトカゲ!
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最大では2.5mくらいになるそうですが、これは60センチくらいか。南方戦線では日本兵が焼いて食べたりしてたらしい。
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で、テングザルがいると
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あっというまに諸国の船が集まってくる。
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おお、いっぱいいる!変な鼻もバッチリ見えるぞ!
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鼻が天狗になっているのはオスだけ。なんでこんな鼻なのかわかりませんが、本人もジャマだと思っているらしい。鼻を片手でよけながら木の実を食べたりするそうです。
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メスは天狗鼻でないぶん、より人間に近い容貌。うーん…
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長い手足や尻尾を使って樹上を移動するさまは見ごたえがある。
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メレ子「ボス猿はやっぱりすごくこうマッチョというか、24時間営業で男!って感じにしてるね〜」
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ボス雄「そう、男の証それは強さ…一家の大黒柱たるもの、上の鼻も下の鼻もかくあらねばならないのだ」
メレ子「ギャッ!みんな、アイツ勃起しとるヨ!!」
最初は偶然むきつけになってるところを撮ってしまったのか!?と思いましたが、あとから調べたら雄の生殖器は基本むきつけらしい。樹を伝ったり水に飛びこむときに打ったりしないのかしら…。
鼻が大きいと生殖器が大きいとかって人間でも俗説に言うので、鼻を大きくすることで生殖能力の高さを誇示してるのかなーと勝手に予想していましたが、生殖器が見えるんなら鼻で暗示する必要もなさそう。そもそも生殖器の大きさと生殖能力の高さってそこまで関係ないのでは?いろいろわからなくなってきた、しかし人間だって不条理なことばかりしてプロジェクトがむちゃくちゃになるなど日常茶飯事であることを考えると、進化のすべてが合理的なわけがないですよね。
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数か所でテングザルの群れを見て、戻ってくるころには日が落ちていました。
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バイキングの夕食。
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夕食後、また船に乗って今度はホタルの発光を見に行きました。
マレーシアのホタルは特定の木に集まっていて、日本のゲンジボタルなどよりはずっと個々の光は小さく、静かに明滅します。写真が撮れないのが残念ですが、木全体がクリスマスツリーみたいになって楽しい。クリスマスツリー自体にはあまり興味はないけれど、虫がこういう集まりをしているというのがよい!
上の写真は、船に下りてきたホタルをつかまえようと長姉子と次姉子が必死になっているところ。

コタキナバルのバードサンクチュアリ

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さて翌日、いよいよメインであるどうぶつ先生ツアーに行くことになりました。バードウォッチングとなると日系旅行社にプライベートツアーをお願いしたいところですが、旅行社とのやりとりで「ふだんは大型哺乳動物を専門にしている先生がちょうどボルネオに行くので、その人がガイドをします」ということに。我々は勝手に「どうぶつ先生」と呼びならわして楽しみにしていたのです。
ロビーにあらわれたどうぶつ先生は、ムツゴロウさんっぽいワイルドな感じの男性。「ふだんは日本にいますが、足しげく通ってゾウの研究をしています」とのことで、大学の先生とかではなくてネイチャーガイドを育てる学校の先生的なことをしてるようです。ドライバーの男性・ヘルマンさんはマレー人の英語スピーカーで、鳥専門のガイドだそうでなにやらバッチリ感…。


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「ようこそ、コタキナバル・ウェット・ランドへ!」
ここはコタキナバルの高級住宅街に位置する湿地。開発後「ちょっと伐りすぎたかも…」とあせった文化人たちによってあわててマングローブが植えなおされ、野鳥観察公園になっています。
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ハト「思う存分撮るがよい」
メレ子「チェンジ!チェンジ!」
思わず、モテないくせにすべての女性を容姿でランク付けする権利があると勘違いしている男のようなリアクションをしてしまいました。
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ハトはおいといて、豪華メンバーの絵も掲載されており高まる期待。コウハシショウビンが杭にテラピアを打ちつけて気絶させてる写真などをお父ちゃんに撮らせることができれば…これ以上の親孝行はないのでは!?
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一同小屋などに隠れてみるが…まったく目ぼしい鳥は見当たらない。
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ミツバチの巨大な巣とか、
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マスカレードなカニなどはいるのだが…
どうも鳥が活動するには日が高すぎるようです。気を取り直して次に行きましょう。

東南アジア最高峰・キナバル山の国立公園で野鳥探訪

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向かうのは世界遺産であるキナバル国立公園。標高は4,095mと、東南アジア最高峰です。麓のジャングルから高山帯にかけて珍しい動植物が見られ、2000年に世界自然遺産に登録されています。
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キナバル山の威容。
どうぶつ先生「2泊3日で登るコースがありまして、道は整備されているから難しいことはないですが、岩場がつらいですね。山岳宗教の霊峰でもあるのでお坊さんを連れて登ったことがありますが…」
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コタキナバルから2,3時間の道のりですが、市場に立ち寄ったりお昼を食べたりで退屈しない。
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お昼を食べたレストランでは、すでに空気が高原のそれで肌寒く「鳥や昆虫が見られるのか?」というかすかな疑問も…この辺では段々畑でカボチャや葉もの、キノコ類など、高原野菜を栽培しているのだといいます。バードガイド・ヘルマンさんもこの近くの山岳民族出身で、「ヘッドハンティング」と言っているので「やっぱり超優秀なんだなあ」と納得しかけたが、よく聞いたら「昔は首狩りの風習があった」という話をしているのだった。


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キナバル公園のビジターセンターのようなところにきました。ここで予習したあと、植物園に行くようです。
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動物や昆虫の展示もされている。このうちひとつの昆虫でも見つかれば、もうネタ的には大満足なのだが…!ホラ、このゾウムシでいいよ!ケチケチすんなって!
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植物園の入り口には、巨大なラフレシアが…
次姉子「ラフレシア見たいねえ…」
どうぶつ先生「明日行くポーリン温泉付近で、運がよければ見られますよ」
メレ山一家「ホントですか!!!」
どうぶつ先生「一帯はただの裏山で、咲いたら住民たちが入り口に看板を立てるんですよ。で、入場料をとる。商魂たくましい人たちです(気乗り薄)」
メレ山一家「いくら払っても見たい!」「見たすぎる…」「ラフレシアが虫を呼ぶために使う腐臭!腐臭をかぎたい!」
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植物園の道はよく整備されている。
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沖縄でよく見る月桃ゲットウ)によく似た花や、高山植物的なたたずまいのも。植物には詳しくないので、ラフレシアレベルでもなければ、珍しいのかどうかいまいち判断がつきません。
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ヘルマンさんが、油を含んだ木の実を松明みたいにして遊んでくれた。
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これは成分かなんかがエレクトするやつらしい。ヘルマンさんも説明のとき下ネタっぽい雰囲気を出してたので多分そう。
メレ山「そういえば昨日見たテングザルもエレクトしてたんですワ」
どうぶつ先生「テングザルのボスは、メスが何頭も木の枝に並んで交尾の順番待ちをするらしいですよ。そう聞くとあんまりうらやましくないですなー」
たしかに…
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たくさんの種類の蘭が大事に育てられています。蘭や食虫植物の希少種を狙う盗掘も多いらしい。
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すごく胴の細いハチ。内臓はどうなってるんだろうな〜


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花の芯を食べてまわっているリス。
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イカン!この旅行の目的はお父ちゃんに鳥の写真を撮ってもらうことだったではないか…!ということで、こんなのや
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こんなのや
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こんなのがいました。
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いちばんかわいかったのはコレ!
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かわいいけど、なんかヒゲがあるねえ…
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小鳥「ブブー!わたしにヒゲがあるんじゃなくて、ヒゲがある虫を食べたんですー!」
メレ子「人間もビールとかカプチーノとか泡が多いやつを飲むとたまになるやつね!」
かわいいけど、海外に行ったことのないお父ちゃんをわざわざ連れてきたわりには、なんかこう地味な気がする。もっとサイチョウ、ハチドリ、オオハシ、サンコウチョウ、カカポ、キーウィ、モア、始祖鳥など、日本には絶対いない鳥を見せてあげないと疲れさせるだけに終ってしまうのでは…

高地の罠

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「ホテルの近くにも緑がありますから、早めに行ってそこでも自由に鳥を探してみてください」という流れになったのだが…
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敷地やその周囲は容赦なく切り開かれて針葉樹がチョボチョボ生えており、スズメすら見かけないような状況でした。数年前に改装して、森の部分をヴィラにしてしまったらしい。
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ここはおやつの袋がパンパンになるくらいの高地…ボルネオに持っていた人外魔境のイメージは、熱帯低地でなければ補完のしようがないのである(現地の人にしてみれば、そんなもん補完されたくないのかもしれないが…)高地には高地のすてきな生き物がいるはずだが、求めていたのはむせ返る熱帯感。戸惑いを隠せない一行であった。
「わたしがいつも行ってるフィールドはねー、サイチョウがカラスかっちゅうくらいたくさんいてねー、もはやジャマなんだよねー。あとゾウも、ジャングルの中で会ってしまうとおっかないもんですよ」
どうぶつ先生は無邪気にここでない動物パラダイスの話をしてきて、わたしの焦りは強まるばかり…はたして明日からの行程でお父ちゃんはレアな野鳥を撮ることができるのか、そしてわたしは商業誌連載用の虫ネタをゲットできるのか!!

「旅」11月発売号でも、ボルネオ珍道中について書いてます

旅 2012年 01月号 [雑誌]
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新潮社 (2011-11-19)
結論からいうと後半はなんとかなり、本日発売の新潮社「旅」では、世界最大の花や世界最大級の食虫植物や世界最大の蛾に翻弄された話などを書いております。特に巨大なものを狙っていったわけではないのですが、やはり大きいことはそれだけで人を感動させますね。
そのほかにも、キナバル山麓の青空市場やコタキナバルのシーフードマーケットの熱気、動物園などなど、雑誌にも書ききれてない話がたくさんありますのでゆっくりブログで書いていきたいです。
「旅」の今号は”スウェーデンで「北欧の民芸」に出会う””寒い季節はこけしをめぐる東北旅へ”の二大特集。とくにスウェーデンは「ちょっと遠いからさっさと通販してヨ!」と、読みながらタイトル全否定の叫びをあげてしまうほどかわいい雑貨まみれです。これまでアジアばかり行っていたけど、先日行ったミュンヘンがとてもきれいだったので、北欧にも行ってみたいなあ…。