メレンゲが腐るほど恋したい

旅行記や生きものの話を写真多めの長大な記事で送ります

昆虫大学講師紹介・その2(細密画展示から虫本図書館まで)

昆虫大学はいよいよ今週末の土日開催予定です!残り3回の記事に分けて、講師のみなさんを紹介していきます。

川島逸郎さん

川島 逸郎 | 神奈川県立生命の星・地球博物館 ※神奈川県立博物館の学芸員紹介ページです
わたしが生物画家の川島逸郎さんのお名前をはじめて知ったのは、夏に神奈川県立博物館で開催された大トンボ展でのこと。ポスターに描かれたトンボの美しさに心を奪われました。

日本のトンボ (ネイチャーガイド)
尾園 暁 川島 逸郎 二橋 亮
文一総合出版
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今年発刊された図鑑「日本のトンボ」の著者でもある川島さんには、トンボ展での写真撮影講座の際にもご一緒させていただきました。
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▲打ち合わせで見せていただいた細密画。ウシカメムシの体表の質感が、点描で表現されている
薄紙に包まれた原画を触らせていただくときには、この上なく緊張しました…なんて精密で美しいのだろうか!
昆虫大学で展示をするにあたり「昆虫の絵についても何かやりたいなー」と考えていました。研究論文などに使用されたりする標本画・細密画においては、対象を観察して情報を整理することが重要。生物画の原画展示をとおして、常人とは比べものにならないくらい昆虫を「見て」いるであろう川島さんから、その世界の一端を教わることができるのでは?
メレ子「どんなに写真技術が進んでも、生物の研究者にとって、絵を描くことは対象を理解する手段としていまだに重要だと聞いたことがあります!」
川島さん「そうですね、写真の情報というのは、どれだけ克明に写っていても取捨選択されていませんから。ろくな顕微鏡もない時代に書かれた、アザミウマ(1mm〜数mm程度の超微小な昆虫)の胸の筋肉を図解した論文なんかを読むと、写真に安易に頼ることで自分で観察する力は鈍ってしまうんじゃないかと思いますね」
メ「フオオ…」
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絵を描く際には翅や筋肉がどう繋がっているか内部の構造まで理解していないと描けないので、必ず解剖をされるそうです。それでもいつも「ちゃんと描きあげられるだろうか」と不安になるといいます。わたし、こんな集中力をもって、虫に限らず何かを見たことはないと自信を持って言えるね…。
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▲クスサン、ウスタビガ、シンジュサン、オオミズアオの蛾4種の蛹。糸の質感まで伝わってくる
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▲トンボの幼虫形態の研究にあたり、東南アジアにいるトンボの幼虫(ヤゴ)の一齢幼虫を描いたもの。胸部の筆のような毛は、小さいときにだけある感覚器官なのだそう。
虫の中でも、特にトンボやハチがお好きという川島さん。「ほかの虫と比べて、次に何をしようとしているかわかりやすいので見飽きない」のだそうです。フィールドで生き物を見ているときがいちばん楽しいそうで、「灼熱の砂浜で、ハマゴウの花の匂いにつつまれてハキリバチの撮影をしていたら、通りがかった人に『行きだおれかと思った』と言われた」とのこと…。
標本画 〜 その伝えるものとは(PDF・3,258KB)
↑川島さんの標本画については、教えていただいたこちらの資料も参考になると思います。なんか、自分が目を開けて歩いていても、何も見てないことがわかって恥ずかしい…。昆虫大学では、貴重な原画を10枚ほど展示していただきます。描き方の極意や虫の生態についてなど、いろいろ質問してみられてください!

Crepe.さん

アクセサリーストアCrepe.のホームページ
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ビーズを使ったオリジナルブローチのお店・Crepe.さん。とてつもなくガーリーで愛らしいのですが、タツノオトシゴなどよそではなかなか見かけないモチーフも手がけます。
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これは銀鮭のブローチ!なぜ…見ているだけで白飯が恋しく…
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ふだん虫に特に注力されているわけではないCrepe.さんですが、昆虫大学に向けて新ジャンル開拓してくださっています。かつてこんなにガーリーなカブトムシのサナギがあっただろうか!ほかの作品もとても楽しみです。買い占めて、カーディガンを昆虫ブローチ特盛りにしてしまいたいですよね…。

マメコさん

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マメコはわたしのお友達なのですが、「間違って日本に生まれてきてしまったタイ人であることに気づいた」と言い放ってタイに移住してしまいました。タイには独特のセンスの虫雑貨が結構売られているらしく、このたびマメコブランドを立ち上げ、わたしにタイで仕入れた虫グッズ画像をモリモリ送りつけてきます。
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さらに「納得のいく虫Tシャツを作る!」と言い出し、美大卒のお友達に原画を依頼して
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こんなTシャツを作ってしまいました。ツイッターで紹介したらものすごい反響だった!
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タンクトップタイプもあるよ!
ほかにもハエ柄レギンス、アリ柄シャツなどタイセンスな虫服を販売予定です。

森ふきさん

猫の額で踊れ
ふきさんは司書さんで、日々子供と本にかかわるお仕事をされています。
はらぺこあおむし」にはじまり、子供のとき読んだ懐かしい虫の本。絵本に児童書、いい本がたくさんあったなあ…昆虫大学で虫の本を展示するスペースができないかな?と思いご相談してみたところ、「それはおもしろそう!」と軽やかなお返事、さっそくプロの眼でたくさんの本を選んでくださいました。
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すてきな本があるわあるわ、絞るのが大変でした!
その中からちょっとだけご紹介します。

からたちばやしのてんとうむし

テントウムシがお葬式に行く服がなくて、お互いの背中を墨でぬって紋付をつくる」というシーンだけ覚えていて、ずっと探していた本。かこさとし先生の「からたちばやしのてんとうむし」だった!読み返してみると、かなり衝撃的な結末でした。

しでむし

しでむし
しでむし
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舘野 鴻
偕成社
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2009年に出た絵本なので懐かしいとかではないのですが、この本を知れただけでもこの企画をやってよかった!と思います。ヨツボシモンシデムシという、夫婦が死肉の肉だんごを作って子育てをするというなかなか変わった生態のシデムシの一生を描いた絵本です。しんとした森の中、生きて死んで横たわったアカネズミの体に虫たちが訪れはじめるという導入部もすごくいい。アカネズミに追われてアクロバティックに跳ねるカマドウマ、俯瞰で描かれる森、シデムシの背中に乗ったダニまでが美しく描かれています。

シャーロットのおくりもの

シャーロットのおくりもの
E.B. ホワイト
あすなろ書房
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農場の納屋に暮らす灰色のかしこくてハスキーな声のクモ・シャーロットが、無邪気な子豚・ウィルバーの食肉にされる運命を変えるため立ち上がる!というお話。クモは昆虫じゃないですね、それがどうした!シャーロットはBarn Spider(ヤマオニグモ)という種類のクモらしいです。納屋の生命にあふれた光景が繰り返し書かれていて、子供のころは読むたび農場の子に生まれたかったと思ったものです。
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展示スペースでいろんな人に見てもらうため、図書館にあるようなラベルを貼ってブックコートフィルムを貼ることにしました。ふきさんはさすが本職、慣れた手つきです。
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ロアルド・ダール「おばけ桃の冒険」をおそるおそるブッカーするメレ山。気泡やヨレを量産しつつも作業…
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ジャジャーン!
ふきさんにはゴキブリの娘っこが婿取りの旅に出るイランのお話「小さなゴキブリのべっぴんさん」など、虫が登場する世界の昔話もたくさんセレクトしていただきました。虫本図書館では、自由に座って虫本たちを心行くまで楽しんでいただけたらと思います。

浅見雅信さん

紙切り?切り紙?ハサミック・ワールド
浅見さんは、HN「しざーはんず」というお名前でも活動されている切り紙作家さん。実は昆虫大学当日には別のイベントに出展されるため、残念ながらご来場いただけないのですが、上の虫本図書館にご協力をいただきます!
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カマキリ!
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絵本に出てくる登場人物ならぬ登場昆虫たちを、このような切り紙作品で作っていただけるんです。当日がとても楽しみ!