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メレンゲが腐るほど恋したい

旅行記や生きものの話を写真多めの長大な記事で送ります

昆虫大学講師紹介・その3(バッタ博士から金色のサナギまで)

昆虫大学 お知らせ

昆虫大学の講師紹介もあと2回となりました。もう盛りだくさんすぎて、紹介にゼイゼイ言っているメレ山広報課長です。

前野ウルド浩太郎

砂漠のリアルムシキング
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特定種のバッタ類が不定周期で大発生し、農作物を食い尽くして飢饉をもたらすことを「蝗害(こうがい)」といいます。日本でも、トノサマバッタの大発生が過去たびたび起きて、人々を苦しめてきたのだそうです。アフリカなどの地域では、サバクトビバッタの大発生による被害が今も深刻です。
サバクバッタの大群、アフリカ北西部に飛来の恐れ 国連が警告 - AFPBB News

FAOによると、非常に小規模なサバクバッタの群れでも、1日で3万5000人分の食料を食い尽くす。成虫は1日で自分の体重(約2グラム)とほぼ同じ重さの作物を食べることもある。(中略)飛べるようになったバッタは数千万匹の大群となり、追い風に恵まれれば1日で150キロメートル移動することもある。

上の画像のように、ふだんはわりとかわいらしい顔のサバクトビバッタ。この通常の様子を「孤独相」といいますが、個体密度が高い環境で「混み合い」の刺激を受けたお母さんバッタからは、黒く屈強で別虫のようなバッタが産まれてくるのだそうです。この「群集相」を帯びたバッタたちは、上記のように黒い悪魔の群れとなります。バッタの相変異や行動についてはまだ未知の部分が多く、途上国の経済事情や政情不安も防除を妨げているそうなのですが、この生きものについての研究が進めば、たくさんの人に福音となるでしょう。
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モーリタニアのバッタ博士(孤独相)
そういう人類にとって大事な研究を、この男に任せてよいのでしょうか。どう見ても仮面ライダーよりは悪の結社寄りの雰囲気を感じます。
バッタ博士こと前野ウルド浩太郎さんは、アフリカはモーリタニアのサバクトビバッタ研究所でバッタの研究をすると見せかけ、野生のハリネズミを手なずけて遊んだりしているそうです。ここしばらくバッタの群れはナリをひそめていて研究的な観点では不穏な空気だったのだが、最近上のニュースのように発生の兆しがあり、研究が進みそう。そういう大事な時期のバッタ博士が、なぜか昆虫大学に乱入してきて、アフリカの民芸品を手売りしてくれるそうです。
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▲バッタ博士が当日売る予定の、チョウの翅を使ったアフリカ民芸品
孤独なバッタが群れるとき サバクトビバッタの相変異と大発生 | 大学出版部協会
最初は「自分、端っこにゴザでも引いてるッスよ」とか殊勝なことを言っていたのですが、なんか本を出すらしく「昆虫大学には5万人くらい来るだろうから200冊持ちこむッス」とか言いはじめた。なんか章立ても「第2章 黒き悪魔を生みだす血」とか「第4章 悪魔を生みだす謎の泡」とか禍々しいし、これを発刊する東海大学出版会さんの懐が広すぎて心配…。
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▲準備でクソ忙しいのに「調査中のかっこいい前野.jpg」とかいうファイル名の画像が送られてきます
ツイッターで夜ごと女性に群集相な発言をくりかえす氏を見るにつけ、「昆大の火薬庫」といった言葉が胸をよぎり、非常に頭の痛い存在となっています。
昆虫大学ではむりやり虫を触らされたり、刺されたりかまれたりということは一切ありません!さらに、バッタのように女性に飛びつこうとする不届きな講師については拘束衣を着せたり、会場の真裏に位置する神田警察署に委ねることもためらいませんので、来場予定のみなさま、安心しておこしください。
最後に、バッタ博士のご学友であり、クマムシ博士として有名な堀川大樹さんのブログ記事をご紹介します。バッタ博士の人となりについて冷静な筆致で書かれるとともに、バッタ研究の道を志したその真の理由、戦慄の真実についても明らかになっています。どうぞごらんください…。
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バッタに憑かれた男 - むしブロ

頓服パラ子さん

手作雑貨 Artists
函館山のふもとで、「Artists」というすてきな雑貨屋さんの店主をしていらした頓服パラ子さん。転居にともない一時お店を閉められたばかりという大変なときに、出店をお願いしてしまいました。
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天然石を使ったアクセサリーやせっけんなど、さまざまなものを作られ絵も描かれる方なんですが、フェルトがやっぱりイイ…!(昆虫大学に羊毛フェルト作家率が高いのは、学長の好みによるものです)こちらは前にいただいてしまったルリセンチコガネです。背中にビーズの露を置いているのがいいでしょう!横にいるのはふくふくのまぶたがかわいいシマエナガ
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いまはフェルトの幼虫などもご準備いただいているのですが、店頭にはこちらの鹿さんも立つ予定です!
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マトリョー鹿!だじゃれか!!!!!
こちらを見せていただいたとき、はにかみながら「ほんとうは父ジカ・母ジカ・子ジカの入れ子にしたかったんですけど、結果的に父子家庭で…」とおっしゃっていたのが、かわいらしさと言っている内容のギャップすごかった。

石川県ふれあい昆虫館

石川県ふれあい昆虫館
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北陸の地から、南国のチョウ(生体)をたずさえて来てくださるお二方がいらっしゃいます!
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福富宏和さんと
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大宮正太郎さんです!
写真を送ってくださった福富さんに「大宮さん、やってることの楽しそうさ加減と表情の特に楽しくなさそうな加減のギャップがすごいですね…」と感想を述べたところ、「集まってるのは残念ながらぜんぶオスなんですよねー」とお返事がきたのですが、そういう問題なのか。
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イモムシから巨大なこのチョウはオオゴマダラ。野生では沖縄や八重山に生息しており、日本で見られるチョウの中では最大級です。幼虫の食草には毒があり、身に毒を蓄えているために目立つ格好ができるんですね。
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(↑はメレ山が多摩動物公園昆虫館で過去に撮影したもの)
幼虫も成虫も迫力があるオオゴマダラですが、なにより不思議なのはこの金色のサナギ!「毒があるから食うなよ」と言いたいためだけにここまでやるのか。
昆虫大学では、オオゴマダラの幼虫・サナギ・成虫を展示していただきます。運がよければ羽化も見られるかも…?そして、石川県ふれあい昆虫館・渾身のミュージアムグッズ「羽化る合格お守り」も販売していただきます。中には実際に羽化って飛んでいったオオゴマの羽化殻が入っているそうで、受験生のみなさんもこの日ばかりは安心して虫にうつつを抜かせそうですね!

展翅屋工房・政所名積さん

tenshiyakoubou
子供の趣味といえば昆虫採集だった時代は今は遠く…かくいうわたしも、実は昆虫標本を作ったことは一度もありません。せいぜいインセクトフェアで針の刺さった標本を買って、箱にディスプレイするくらいのもの。なんだか道具も多そうだし難しそうですよね。
9月末のインセクトフェアでお知り合いになったばかりでスカウトしてしまった「展翅屋工房」の政所さんは、博物館に標本を卸したり、標本作成の出張教室をしたりする珍しいお仕事をされています。昆虫大学では標本の展示・販売のほか、会場で実際に標本を作成していただきます!標本づくりの手順やコツなど、この機会にぜひ質問してみてください。

日本チョウ類保全協会さん

日本チョウ類保全協会 | チョウのはばたく日本を
ニュースレターに寄稿させていただくなど、なにかとお世話になりっぱなしの日本チョウ類保全協会さん。虫とのかかわりについて考えるにあたって欠かすことのできない、保全にかかわる展示をしていただきます。

保全活動についての写真パネルの展示のほか、ギフチョウのピンバッジ、会員のみなさんで協力して作りあげたチョウのフィールドガイド決定版・「日本のチョウ」の販売などを予定しています。フィールドガイドといっても、フィールド用と自宅用に一冊ずつ購入してしまう…という方も決して少なくないのですが、安心して外に持ち出せる特製ビニールカバー(会員の方が考案・発注されたもの)もあわせて販売されるそうなので、わたしもこの機会にカバーを入手するつもり!
保全活動も、一般人には「どんなことしてるんだろう?」となかなか敷居が高く感じられるものですが、いろいろお話を聞ける貴重な機会だと思います。チョウは昆虫の中でも、環境の変化の影響を受けやすい生きものだと聞いています。チョウを守ることで、ほかの様々な生物も生きていける環境をまるごと維持することを念頭に活動されているそうです。興味をもたれた方は、入会手続もしてみてくださいね。