メレンゲが腐るほど恋したい

旅行記や生きものの話を写真多めの長大な記事で送ります

昆虫大学・卒業論文(3/3)

その1 その2 昆虫大学2012(flickr)
★記事末尾に講師・職員と入学者の感想レポートリンク集を作りました。

ひよこまめさんのファインプレー

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二日目の朝。10時から12時にかけて、講師と職員のみなさんがぼちぼちやってきます。晴れ晴れとした顔で「あれっ…?今日なんかラク…!」「ほんとだ!すごいラク…!!」と言い合う。いやー、初日はバタバタしたしお客さんくるのか不安でしたからねえ…。
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大関係者がゆっくりブースをまわったり写真を撮ったりできるのは開講前のみ。
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ひよこまめ雑貨店さんは、品薄になってきたので追加商品を作成中。
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校章の原版は、作製をお願いしたときにお送りいただいたのでわたしの手元にあるのですが、「開講中はぜひひよこまめさんのところに置いて見てもらってください!」とお願いしたところ、きれいに額装してきてくれました。今はうちにこの状態で飾られております。やっぱり学長の役得すごいな…。ほんとやってよかった…。
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しかも!バッタ博士の昨晩の謹呈誤用事件へのレスポンスとして、なんと「謹呈」とバッタマークの消しゴムはんこまで作ってしまってる!もちろんハカセの手書き文字から版を作って起こしたものなんですよ〜。このハンコはバッタ博士のもとに渡り、二日目のサイン時間短縮に大幅に貢献したという。ひよこまめさんの愛情により、むしろ間違えたモン勝ちのハッピーエンドになったのでした。しかし飲み会のあとにひと晩でこれだけの偉業、寝てませんよね…これ…。
それにしてひよこまめさんに限らずものを作れる人って、どんどんまわりのものに反応して新しいものを出してくる!すごいよな〜。正直いって、部活や文化祭や飲み会ですらほぼ指揮を取ったことのない人間としては準備が本当にきつかったのですが、「昆大でこんなことやりたいです!」「こんなのもできます」「こんなの作ってみました〜!」というメールが届くたびに目がバチバチに冴えて疲れもフッ飛んでました。ものが作れる人っていうのは、他人に合法的にシャブが打てるんだねェ…

二日目はリラックスモード

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「ギエー!アゲハ脱走してる!」
床を這っているアゲハ幼虫に気づいた人の声で、ほかに脱走してる子がいないか血眼で探す。チョウ類保全協会さんの柑橘鉢についていたアゲハが、朝日に照らされて窓際の温度が急激に上がったので逃げ出したらしい。「踏んじゃったら立ち直れないよね…」「まだ遠くへは行ってないはずだ!捜せ〜」


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「メレ子さん、これ買いませんか?」
昆虫大学グッズで身をかためたのそ子さんから、のそ子さんのお子さんがつくったエコバッタを薦められる。時価!
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校章はきょうも燦然と輝いておる。
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17階からの眺め。まさに快晴!一日目は最悪の天気にも関わらず330人くらい来てくれたのですが、それより増えるのかなあ、でも虫関係者は晴れたら虫撮りに行ってしまうかもしれない。
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絶賛取り壊し中の旧電機大校舎。昆虫大学がある11号館も、TRANS ARTS TOKYOの会期が終わると、2週間後には取り壊しが始まります。電機大出身のお客さんは「僕は2回キャンパスを失うのですね…」とつぶやいていた。いいんですか、昆虫大学もカウントしていただいて…


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巨大サイズのオオゴマダラ幼虫を愛おしむ、石川県ふれあい昆虫館の福富さん。
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サナギもスタンバイOKなものがたくさん。今日はお客さんに羽化を見てもらえそうです!


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すっかリラックスして和気あいあいの関係者の中、本日の特別講義「ツノゼミを探して世界をめぐる」を担当される丸山先生は人知れずドキドキしていた…(緊張しているようには見えなかったのですが、あとからブログを拝見するとキンチョーされてたらしいです。ふだんお話されるときとは客層もだいぶ違いますもんね)
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そして開場!バッタ博士、東海大学出版会の担当編集者の田志口さんと。
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博士の弟さんが作られたかっこいいバッタ本のPOPと、「フィールドの生物学」シリーズ。だんだん分厚くなる傾向にあり、先に書いた著者の皆さんからは「断腸の思いでいろいろ削ったのにこんなに書いていいんですかー!」「口絵カラーとかアリだったんですか!ズルい!!」との声が上がっているとかいないとか…。わたしはこれまでに「右利きのヘビ仮説―追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化 」、丸山先生の「アリの巣をめぐる冒険―未踏の調査地は足下に」、バッタ博士の「孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生」、「虫をとおして森をみる―熱帯雨林の昆虫の多様性」を読みましたが、いずれも新進の研究者の情熱や不安、フィールドの危険や喜びなどが生で綴られていて、生きもの好きなら手当たり次第に買って読ませたいくらい。

昆大オリジナルグッズ、そして会場は熱気ムンムン

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この日もたくさん入学者があり、本学は熱気ムンムン!
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関係者が肩にかけているのは、昆虫大学オリジナルサコッシュ
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伊藤ガビンさんと9FでシルクスクリーンのワークショップをされていたNNNNYのいすたえこさんが、「シルクスクリーンで版を作ってサコッシュを作りましょう!」と言ってくださって実現しました。サコッシュっていうのは自転車なんかに乗るときに肩からかけるトートのことで、校章をプリントしたら異常にかわいいのができた!!先に40枚刷ってもらったのですが、関係者用と会場販売ですぐなくなってしまい、その後はお客さんには9Fでワークショップという形で刷ってもらいました。右みたいに、無地のTシャツやバッグ等に刷ってもらったりも。しかし二日目の夕方、酷使しすぎてついに版がぶっ壊れるという事態に…。
ずっと大事にしたい昆大グッズになりました。ガビンさん、いすさん、シルクスクリーンを必死で刷っていただいたみなさん、ありがとうございました!!


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狙い通り、オオゴマダラが次々と羽化。なんかものすごい人だかりになってきた!
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みんな夢中です。


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サイエンスブロガーのyu_kuboさんも、愛知からおいでくださった!「Make:Ogaki Meeting」にも出展された「くるくるレインボー」というおもちゃをおみやげにいただきました。写真はyu_kuboさんではなく、くるくるレインボーにいたく興味を示された小松さんです。yu_kuboさんに限らず、北海道や関西から来てくれた方もいて「ああもう…なんかすみません…」という気持ちに…。

世界を飛び回るツノゼミ博士の特別講義

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島田さんの息子さんのとわくんと遊んであげるかっこいい丸山先生。
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そして特別講義「ツノゼミを探して世界をめぐる」の時間。なんか立ち見が異常な人数に…
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丸山先生は小松さんのように扮装はしなかったのですが「あっ、指し棒がない。小松くん、あれ貸して」と言って、星のついたスティックを手に講演されていました。
講演の概要は、yu_kuboさんのtwitter中継をまとめていただいたこちらがわかりやすいかも。→20121118-昆虫大学 丸山先生のツノゼミ講義のyu-kuboさんによるメモ
ツノゼミという聞きなれない虫の説明からはじまり、アリとの共生や生活、世界のツノゼミの奇怪で多様な姿かたちの紹介。「熱帯雨林を伐採して植えられたヤシは、多くが日本に輸出されます。そうして『地球にやさしい』とうたわれるヤシの実洗剤になります」と、環境の保護に関するメッセージもありました。フィールドで雇った現地ガイドが泥棒だったり、ジャングルから帰ってきたら出されたのがバナナを添えただけのご飯だったので一念発起して魚釣り→豪華夕食メニューに!とか、ツムギアリに咬みつかれるとミツバチに刺されるくらい痛いヨ!などなど、フィールドの冒険エピソードが楽しかった。パンツ姿でガイドに手を引かれて急流を渡る小松さんのサービスショットもありました。
質問も続出しており、「ツノゼミは害虫になったりしないんですか?」という質問に対して「外来種として日本に入ってくる可能性はありますが、ウンカみたいに農業に影響を与えたりという例はあまりないですね。害虫だとすごく研究が進むんですけどね…」という回答をされていたのが面白かった。
「虫にくわしくなくても、日本でツノゼミを見られますか?」という質問に対しては、聴講者席にいらした音楽家の知久寿焼さん(ツノゼミ好きで知られ、丸山さんといっしょに海外遠征したり共同研究されています)が「千代田線なら、春になったら国立から西に行って、藤などのアリがたかっている枝先をよく見ると見つかりますよ」と答えるひとこまも。
小松さんと丸山さんの講演の内容は録音させていただいたので、いずれちゃんと書き起こすなどしてアップしたいと思います!どちらもすごく面白かったので、広めないともったいない。
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講演のあとは、二日目に出展していただいたさんのご協力を得て、丸山先生サイン会。「ツノゼミ ありえない虫」「アリの巣をめぐる冒険―未踏の調査地は足下に」にサインされていました。
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そして、もう少ししたら好蟻性昆虫の本が出るとのこと…!ものすごく楽しみです。
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その本がこのお子にも届きますように…!

日本チョウ類保全協会とURBAN SAFARI、驚異のコラボレーション

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賑わいも終盤、なんかすごいことが起こっていた。
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「ぬおおおお!」
日本チョウ類保全協会のかたが、いたずら心であの脱走幼虫をURBAN SAFARIさん制作のあの巨大アゲハの上に!
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幼虫 on ヨーチューの図は衆目を集めておりました。アゲちゃんはたぶん「なんか食えないのの上にきた」と思っているのだろうが…。これからたくさん食べて、リッパな越冬蛹になるんやでー

おわりに 〜 今後の昆虫大学

おかげさまで大きなトラブルもなく、めいっぱい楽しみながら昆虫大学を終えることができました。見通しも何もないまま不慣れなことを始めてしまったため、直前は今までの一生でいちばんしんどい生活をしていましたが、昆大講師・職員・その他協力者のみなさんのおかげで、脳内麻薬を出しながら乗り切ることができました。実績も何もない怪しげなイベントに「なんか面白そう!」で飛びついていただいた方々には、一生頭が上がりません。二日間でいらしていただいた700人余の来場者のみなさんにも、篤くお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。あまりに楽しすぎて、レポートが長大になってしまってすみません…。
ありがたいことによく「来年はやるんですか?」と訊かれますが、何にも決まっていません。キャンパスはもうガレキになってしまってしまったし、収支を計算してみたら7万くらい赤字だったし…楽しい思い出がプライスレスだと思えば赤自体はどうでもいいんですが、「こっちは赤字でやってんだ」みたいなある種の傲慢さが運営に生まれるのはよくない。本当はみんなに十分なお礼を支払っても儲かって儲かって仕方なくて、「何ィ!虫のイベントってそんなに儲かるのか!」とかいって大企業が参入してくるくらいになるのが望ましい。とりあえず、安く借りられて虫に関する催しができそうなスペースの情報があれば、こっそり教えていただけると嬉しいです。今後はイベントの申請なんかも自分でやることになるので、なかなか大変そうですが。
虫屋でも研究者でもないけど「ダーウィンが来た!」は楽しく観る。動物は好きだけど虫はちょっと苦手だし、部屋でゴキブリと対決するときは冷や汗が流れる、くらいの人たちが虫に出会って好きになるイベントにしたかった。ある程度それは成功して、虫のプロたちも「虫好きの向こうにこんな広い裾野があったんだね」と言ってくれました。そういう人たちをもっと大量に捕獲して、蟲毒のツボに落としこむような吸引力が持てないかなー、という野望を抱えていますので、協力してください!!
「昆虫大学」という名前にも特に思い入れがあるわけではなくて、本当は「サイエンスカフェ」みたいな一般名詞になったらいいなとひそかに思っています。全国各地に昆虫大学が設立されて、みんな最終学歴が昆虫大学になってしまえばいいじゃないかー!ありがとうございました。


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レポート・感想記事リンク集

〜昆大入学者編〜