メレンゲが腐るほど恋したい

旅行記や生きものの話を写真多めの長大な記事で送ります

ヤバい虫博士を集めたセッション「むしむし生放送」のこと、そして時代は12/21(土)「きのこ会議」へ

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(この記事は、2013/4/27に幕張メッセでのニコニコ超会議内で開催された「第4回ニコニコ学会β」内のセッション「むしむし生放送」について2013/12/20に書いています)
今年はなんかもう3倍速くらいで終わってしまいました。これまでの人生でもっとも思い出深い日となった「むしむし生放送」についてもレポートを書かないまま、今年が終わってしまいかねない。なんだむしむし生放送って。そう思われた方は、まずこちらの動画をごらんください。
むしむし生放送:第4回ニコニコ学会βシンポジウム@ニコニコ超会議2[DAY1]
※無料でタイムシフト視聴できます(ニコニコ動画のアカウントが必要ですが、facebookアカウント等でもログイン可能です。ログイン後、リンク先ページの下のメニューから「4th session むしむし生放送〜昆虫大学サテライト」横の「#04:52:00」のリンクをクリックしてください)


見ましたね。
昆虫と昆虫研究者の濃すぎる世界に魅了された皆様、明日12/21(土)ニコファーレにて開催される第5回ニコニコ学会βシンポジウムのセッション「きのこ会議」も、ぜひタイムシフト予約して視聴してください。
第5回ニコニコ学会βシンポジウム 〜生命の境界〜
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4th session「菌放送局特番『きのこ会議』」19:30〜
登壇者:
保坂健太郎(きのこ研究者/国立科学博物館 研究員)
飯沢耕太郎(きのこ文学研究家/写真評論家)
伊沢正名(糞土師/糞土研究会 代表)

座長:
とよ田キノ子(きのこ愛好家・ウェブデザイナー
白水 貴(菌類研究者/日本学術振興会 特別研究員)

こちらの菌類セッションは、むしむしの盛り上がりに対抗して「何が虫や!こっちにはもっとスケールでかい菌と菌関係者がいるってことを見せたるわ!!」と、菌界の人々によってオーガナイズされたもの。
実現なるか?「きんきん生放送」 - togetter
書籍『乙女の玉手箱シリーズ きのこ』などに関わるデザイナーのとよ田キノ子さんと、スイートボイスの異名を取る菌研究者・白水貴さんのダブル座長!個人的には、糞土師の伊沢正名さんがどんなプレゼンを見せてくださるのか、楽しみ半分恐ろしさ半分で眠れません。生き物界の次から次に面白い人につながっていく感じ、本当に楽しいです。

登壇者のみなさまの記事リンク集

丸山宗利さん:2013-4-27 - 断虫亭日乗
小松貴さん:肉 - ?月紀
前野ウルド浩太郎さん:安否確認 - 砂漠のリアルムシキング
堀川大樹さん:ニコニコ学会βのむしむし生放送に登壇しました - むしブロ+
会場でアリの展示・販売をしてくださったAntRoom代表島田拓さん:ニコニコ学会βシンポジウム 「むしむし生放送〜昆虫大学サテライト」 - ありんこ日記 AntRoom

当日の様子

ここから当日の様子を写真で振り返ってみたいと思います(素敵な写真をたくさん残してくださったカメラマンの石澤ヨージさん、ありがとうございます!!)。
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ニコニコ超会議の会場・幕張メッセでの前日リハーサル。緊張しすぎて死にたい気持ちがどんどん高まっていた。
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そして当日朝、死にたい気持ちはピークに達している。座長、登壇者を気遣う余裕なし。
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ニコニコ学会βブース。
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AntRoomの島田拓さんも、ブースで蟻マシーンの販売準備をしてくださっています。セッション前半の目玉である好蟻性昆虫も捕獲してきてくれた!
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登壇者トップバッターの丸山宗利先生もスライドを今一度練る。そして怪しい触角が…。
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そしてついにニコニコ学会はじまった!実行委員長の江渡浩一郎さんによる挨拶。
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負けません
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こちらは楽屋裏。むしむし生放送はこの日最後の4つ目のセッションです。前のセッションを見る余裕もなく引きこもる座長。
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登壇者の旅費をREADYFOR?のクラウドファンディングで出してくださった皆さんへの特典として、登壇者のサインを集めるという大事な作業もある。小松さんのサインが虫まみれで素敵。
メレ山「あれ?前野ウルド浩太郎さんだけじゃなくて、堀川さんも堀川.D.大樹なんですか?*1
堀川さん「はい。堀川・デューク・大樹です」
メ「えっ」
堀「デュークです」
メ「…研究者の方は、途中で改名すると論文検索などで支障が出てハンデになると前野バッタ博士から聞いていますが…」
堀「僕は抜かりなく初報からデュークです」
メ(もうやだ…なんでこんなミドルネームのある子ばっかり…)
日本人の名前は論文検索でかぶりやすいという支障もあるため、ミドルネームを名乗るのが逆に有利な場合もあるそうです。
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すでに正装の前野ウルド浩太郎氏と堀川大樹氏
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乾眠クマムシが目覚めるところを中継するためにUSB式の顕微鏡を持参するも、倍率のテストがうまくいかず仕方なく前野さんの頭皮を観察しはじめる堀川さん。
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そしていよいよ近づく出番…5人の緊張もピークに達するが、今写真見るとただの不審者どもですね…。
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▲丸山宗利氏(好蟻性生物研究者・九州大学総合研究博物館) ※アリの触角(ひよこまめ雑貨店謹製)装備
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▲小松貴氏(好蟻性生物研究者・信州大学) ※魔法遣いの装備
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▲前野ウルド浩太郎氏(サバクトビバッタ研究者・モーリタニア国立サバクトビバッタ研究所) ※モーリタニアの正装
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▲堀川大樹氏(クマムシ研究者・パリ第5大学) ※一見普通に見えるが特大のクマムシぬいぐるみを小脇に抱え登場
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不穏さしかない絵ヅラですが、プレゼンの上手さにはみなさん定評が。まずはトップバッターの丸山先生、アリと関係を築く好蟻性昆虫たちについてなめらかに語ります。みんな横を見てるのは、ニコニコ生中継の字幕が流れてるスクリーンを見てるんですね。お話中ピョコピョコ揺れる触角に激萌えするコメントがさかんについていました。
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アリに咥えられている人魂みたいな形のアリノタカラというカイガラムシ。ミツバアリはアリノタカラを巣の中で保護し、かわりにアリノタカラが分泌する甘露をもらうのですが、ミツバアリはアリノタカラの分泌物がないと生きていけません。新女王は巣分かれして結婚飛行に出るとき、必ずアリノタカラを1匹嫁入り道具のようにくわえて旅立つのです。
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第2の登壇者、小松貴さんは昆虫大学でも見せてくれた魔法使いの衣装をグレードアップして登場。丸山先生と長年共同で研究や調査をしておられ、もはや自身がアリの巣の生きものになっているとしか思えない美しい写真にも定評があります。今回はアリと不思議な関係を築く「アリ植物」について熱弁。
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アリに巣穴だけでなく食べ物まで与え、囲い込みをはかる植物…!凶暴で組織力が高いアリに住んでもらうことで、植物にとっても身を守れるというわけです。
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そして3番目はバッタ博士。「孤独なバッタが群れるとき…」から始まる独壇場に場は爆笑に包まれるも、次第にバッタ研究の実験の面白さに引きこまれていきます。
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ラストを飾る堀川氏は、「クマムシの乾眠能力を人間に適用して乾眠人間を作れば、人間は宇宙にだって行ける。人間カップラーメンです。カップラーメンの発明者・安藤百福氏は実に先見の明があった。彼は『人類は麺類』という名言を残しています」と畳みかける。プレゼンのはじめに「やっとまともな人キター」とニコ生でコメントされていたのに、プレゼンが進むにつれて「やっぱりこの人も変だ」と書かれてたのには笑いました。
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後半のトークでは、READYFOR?の話から「どうやって若手研究者が組織に頼らずに研究資金を得るか?」というテーマにも触れました。クマムシグッズや有料メルマガなどを使った資金獲得に取り組む堀川さん、「無収入なので本の印税が命綱でございます」と、衣装のどっかから本を取り出して宣伝するバッタ博士。丸山先生は、海外のクラウドファンディングで集めたお金で調査旅行に行ったこともあるそう。アメリカなどでは、基礎研究に関するクラウドファンディングでもお金がけっこう集まるんだそうです。
セッション当初はガチガチのガチだった座長メレ山も、4人の博士たちが非常にいい雰囲気で進めてくださったおかげで、後半はリラックスすることができました。「こういうすごい研究者たちにもっと研究資金をあげるべきだ!」というコメントがどんどん増えてきて「そうそう!そうなんだよ!」としみじみ嬉しかったですね…
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ちなみに私事で恐縮ですが、この日はわたくしの30の誕生日でもありました。打ち上げも兼ねたちょっと大人なイベント「夜のニコニコ学会」にて、サプライズにて昆虫ケーキをいただいてしまいました!いまだかつてなく祝われたよ…!準備で死ぬほど忙しい中こんな仕掛けまで準備してくださったみなさん、本当にありがとうございます。


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一夜明けて翌日。ニコニコ超会議2日目です。
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重圧から解き放たれてめぐるニコニコ超会議は、なんか各ブースのテンションがいちいち高くてすごく面白かった。
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郵便局の窓口すらこんなだし。お兄さんもなんかカメラ向けたらハッピ見せつけちゃったりして、明らかにテンションおかしいし。
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クマムシさんの筆跡に思わず笑う。
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会場を見ているとコスプレをしていないほうが不自然という気持ちになり、この日はアリ女のいでたちのメレ山。自宅警備隊N.E.E.Tの人に駆除されそうになっている。
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バッタ博士と自衛隊ブースの偵察バイクに乗りました
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ニコニコ動画公式キャラクターのテレビちゃんと。中の人の動きがすごかった。一言もしゃべらずに見物人を飽きさせないパントマイムを延々続けており、バッタ博士は「めっちゃ参考になるッス…」と目を皿にしていた。いったいお前はどこに行こうとしているんだ。
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キャッキャッと遊んで帰ってきたら、2日目の記念撮影が!!慌てて混ぜてもらった1枚。
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「超もふもふ毛玉牧場」でお客さんを接待していたアルパカも帰っていく。お疲れさまでした。なんかものすごい祭典に参加させてもらったなあ…。

おわりに・昆虫大学のこれから

ニコニコ学会の全関係者の皆さん、本当にありがとうございました。撮影や進行といった事務方のレベルも凄まじく、素晴らしい舞台を踏ませていただきました。虫博士たちの無茶な絵ヅラをいちばんいい席で見ることができて幸せ者です。
そして登壇者の皆様、ガチな研究の話とガチなエンタメの両立を本気で実現してくださり感謝いたします。おかげで「むしむし生放送」は、放送終了後のニコ生アンケートで「とても良かった」93.1%・「良かった」6.1%という記録的な数字を叩き出すことができました。
READYFOR?での支援、SNSでの拡散にご協力くださった方々、そして視聴者のみなさまにも篤くお礼を申し上げます。


2012年の秋に、TRANS ARTS TOKYO内のいち企画として伊藤ガビンさんに声をかけていただいたことからはじまった「昆虫大学」。「大学の旧校舎でやるんだし、わたしも虫の素人だから『昆虫大学』ってことでいいべさ」と命名。そこで江渡さんに誘っていただき、昆虫大学のサテライト企画として「むしむし生放送」をやることができました。
そして2014年、福島県いわき市の水族館・アクアマリンふくしまからのオファーで、2014/7/5(土)〜9/15(月・祝)というひと夏の企画展として昆虫大学をやらせていただけることが決まっています。いったいこれからどうなっちゃうんだろうと思いつつ、あえて風呂敷は畳まずに突き進む所存です。
これからの準備を思うと気が遠くなりますが、すでに心強い仲間が集まりはじめています。水族館を虫色に染め上げ、最終的に「インセクタリウムふくしま」にしてしまう予定です!みんなも最終学歴を昆虫大学にしよう!!

*1:前野さんのミドルネーム「ウルド」は、モーリタニア国立サバクトビバッタ研究所のババ所長から最高の尊称として与えられたもの