大久野島は広島県の忠海町沖に浮かぶ周囲4キロの小さな島です。京都駅から山陽本線を乗り継いで4時間半…ようやく三原駅にたどりつきました。ここから呉線に乗って、フェリーが出る忠海(ただのうみ)に向かいます。
とはいえ、三原も「タコのまち」として知られ素通りするには惜しい場所であります。八角形のたこめし駅弁を買って食べてみる。タコがたこつぼに心惹かれている様子を描くフタの絵もキュートで「タコー!そのツボに入っちゃダメー!」と呼びかけたくなるね…(モグモグ)
呉線は青森の五能線よりさらに海沿いを走っていて、瀬戸内の多島美をぞんぶんに味わえます。一日二往復で観光用の特別列車「せとうちマリンビュー」が走っているんですが、その話は後編で。
二十分で忠海に到着。フェリー乗り場はここから徒歩五分ほどです。すなめ利薬局は特に目印ではありませんが、気になったので撮ってしまいました…。
「島はウサギの楽園なので車両は通行禁止」等の注意があります。舗装道路はありますが、レンタサイクルと国民休暇村のバスなどしか走れません。
運賃は大人210円。12分の乗船であっけなく着いてしまいました。いよいようさぎ島に上陸です!
大久野島の宿泊施設は国民休暇村のみで、あとはキャンプサイトになります。窓の下にはうさぎのいる広場が見える。
しかしこの時期、昼間は暑いのでうさぎも好きこのんで日なたになんて出てきません。
葉っぱのかげやベンチの下などでひたすら堪えており、あまり食欲もないらしい。夕方までレンタサイクルで島内散策することにします。
毒ガス貯蔵庫
休暇村から右回り*1に自転車を走らせると、毒ガス貯蔵庫跡が見えてきました。
大久野島は戦時中、陸軍によって化学兵器の生産拠点として利用され、敗戦まで機密保持のためその存在は地図から消されていました。イペリットやルイサイトなどの、皮膚や呼吸器をただれさせ癌の原因にもなる有毒ガスが100tタンクに六基、ここに貯蔵されていたのだそうです。
毒性を取り除くために火炎放射器で焼かれたあとが壁に黒く残っています。
展望園地
これらの施設はちょっと小高いところにあるので、レンタサイクルを置いて階段をのぼらないといけません。汗だくになりますが眺めは文句のつけようがないくらい最高!
カマキリ「おう なつだぜ!おれは げんきだけど むしずきの おんなは かんべんだぜ!」
展望園地は木道みたいになっている。家族連れや修学旅行先に人気の島だけあって、学習をうながすようなもの(星座盤とか)がたくさんありますね。
あとはこの辺に昔スナメリの群れが見られたという情報にビックリ!すなめ利薬局ってまんざらデタラメでもなかったのね…ゴメン…でもネーミングセンスはすごいと思う…
発電所跡
重油焚きの発電所です。これは…すごく廃墟っぽくてかっこいい!しかし内部が立ち入り禁止になっていて、ネットで下調べしたときに内部の写真を見て楽しみにしていたわたしとしてはすごくショックでした…。老朽化もしているだろうし仕方ないんだろうけどねー
島に動員されていた工員たちは、敗戦まで自分たちが何を作っていたのかについてほとんど知らなかったらしい。死亡事故も頻発し、のちのちまで健康を害する人も多数いたとか。
うさぎとふれあいタイム
で、二時間くらいでほとんど島を一周してしまいました。とりあえず日が落ちて涼しくなってきたし、ウサギにモテてから夕ご飯を食べようかなー
腹ばい気味で涼をとっている奴ら
「くれるんか」
「よこせ」
二本足で立ってエサをねだってきます。
どうすればいちばんモテるかを考えた結果、地面にいくつかエサをまいてウサギが五羽ほど寄ってきたところでひざの上にエサをばらまくことにしました。これすなわち女体盛り…まあ女体としての価値は微妙なところですが、ウサギにとっては人間の女体はインセンティブにならないのでそもそも関係ないの…
「地面においてくれたらいいのに…」
鼻をヒコヒコさせるしか能がないため、コミュニケーションの成立度は昆虫以下ですらあるように思われる(私見)ウサギ…しかしなぜかフショーブショー感、具体的に言うと「エサの問題さえなければ誰がこんなクズの相手するか」感だけは異常に伝わってくる!
ことエサに関しては奴らの反応は超ビビッド。すごい勢いで鼻を内ももにつっこんでくるため、女体盛り作戦は「メレ子が無駄にドギマギする」という結果を生んだのみで心の距離はまったく縮まらなかった…
エサやり風景はこんな感じ。まわりに写真を頼める人がいなかったのでセルフタイマーで撮りました!一人でめいっぱい楽しみすぎている…
ほかの宿泊客もみんなウサギに搾取されて夕暮れ時を過ごしています。エサはフロントで売っていますが、本土でニンジンやキャベツを買っていくとさらに食いつきがよいという話です。
バイキングの夕ご飯を食べて、毎晩8時から開催の海ほたる観察会に参加しました。コップに集めた夜光虫の海ほたるに電気ショックを与えて光らせます。海ほたるは砂浜のあるきれいな海にしかいないこと、魚の死骸が主食で赤身より白身魚を好むことなどが聞けて楽しい。夏季は日数限定で船に乗って海ほたるを見に行くツアーもやっているそうで、参加してみたかったワ…
一泊二日で来たはずが、一日でほとんど島を満喫してしまってるジャン!なんで前編なの?とお思いの方もいると思いますが、大久野島には押さえておくべきスポットがまだいくつかありますし、さらに国宝と巨樹神社の島・大三島(おおみしま)に渡ってきましたので次回はそちらもレポートしていきたいと思います。
モジャモジャ犬その後のその後
イカの街で出会ったモジャモジャ犬「わさお」のその後情報を書くのを忘れてました!
わさおストラップをいただきました
id:rikuoさんに描いていただいたわさおイラストを元に、id:KaKaさんがわさおストラップを作って送ってくれました!
すばらしい再現度!!!(横のはゾウムシストラップ)
カカさんはmixiわさおコミュのメンバー100人突破記念に、先着七名の方にも同じストラップを送ってくれました。ほんとうにありがとうございます。
リクオさんのイラストはクリエイティブ・コモンズ『表示-非営利-継承』で利用できますので、どなたでも同じようなものを業者さんに注文することが可能です。ここを見て欲しくなった方はトライしてみてはいかがでしょうか。カカさんに追加をお願いすることは、もとより完全なご厚意でやっていただいていることでご迷惑になりますのでご遠慮くださるようお願いいたします。
*1:島内一周は衝突事故を防ぐため右回りと決められています