このブログはじまって以来のメレ山の夢…それはじゅんさい採り。プロフィール欄に「夢はじゅんさい採り」と書いてしまうくらいじゅんさい採りを夢見ていながら、なかなか果たせずにいました。モンモンとくすぶっていた夏のある日、東北で建築や廃墟や熱帯魚ののカッコイイ日記を書いているマツカズトさん(id:matsukazuto)から「おいメレ山!お前のじゅんさいへの気持ちが本物なら車を出してやるからキリキリついてこいや!」というメールをいただきました。
(マツカズトさんは本当はこんなますらおぶりではなくてとても紳士的な方です)
今回の同行者は、在華坊さん(id:zaikabou)とココロ社(id:kokorosha)です。変態紳士たちが新幹線で山形県の村山駅に降り立つと、マツカズトさんが愛車・キングスワン号で現れ、あっという間にじゅんさい沼に連れてきてくれました。
ここ大谷地沼(おおやちぬま)は全国有数のじゅんさい名産地らしい。じゅんさいがミッチリつまった沼に、じゅんさいプロのおばちゃん達が小船を浮かべています。これや!ワイがしたかったのはこれなんや!
じゅんさい採りに入る前に、沼の横の食堂でおそばを食べる。じゅんさい沼といえば、もっとこう山奥の人を寄せつけない辺りにあるものと思っていましたが、実は国道沿いにあるんです。まわりは田んぼや畑ばかりだけど。
おなかもくちたことだし、ヌメヌメの中に飛びこむゼ!
「そこの女よ、じゅんさいを採りたくば金を払っていきなさい」
すみませんでした…
食堂の横にある管理事務所でじゅんさい採り代(一時間千円)を払います。沼に落ちたら困るのでライフジャケットを着用してくださいとのこと。
これがじゅんさいかア…ぬめってるなあ!(実はあまりじゅんさいのことを知らないメレ山)
わかりやすいばかりか枯れた味わいのあるじゅんさいの採り方説明図。
じゅんさいはスイレン下の浮葉植物で、六月から七月末にかけてがシーズンの夏の味覚です。水面下にある部分はヌルヌルで覆われているので、茎なども細かく切って食べるそうですが、なんといってもおいしいのは水面に出る前のクルリと丸まった若葉の部分。若葉を引っ張るとぬめりがとれてしまうので、茎を爪でつまんでプチッとするのがいいそうです。深爪すぎたりつけ爪をつけてる人には難しいかも。
ひととおりのレクチャーを受けたあと、沼に向かいます。
連れてってくれるおじさんのじゅんさいについての語り「ここのじゅんさいを食べたらね、他のじゅんさいなんて食べられないよ。よそに行くことがあってじゅんさいが出てきたりすると…まあ…同じじゅんさいとは思えないネエ…」
よそに行って頼んでもないのに高級食材じゅんさいが出てくるというシチュエーションは考えにくく、どう考えても頼んだ上でよそのじゅんさいをディスっている、さらに言えばよそのじゅんさいをディスるためにわざわざ頼んでいるのであり、大谷地沼じゅんさいへの強すぎる愛を感じます。でもわたしも「うちのクワズイモは超カッコイイ」ことを確認するために花屋に立ち寄るので、そのゆがんだ愛にシンパスィー
じゅんさいプロたちの仲間入りをするのかと思いきや、「こっちの沼もとってくれないと新芽が出ないし人がいないしオススメ」と別の沼に案内されました。じゅんさい沼もメンテナンスが必要なんやねえ…。
カチカチ山みたいな木船。
いざゆかん、じゅんさいヌメヌメ沼へ!
ダバー
さっそくじゅんさい採りに挑戦するメレ山
茎もさっき見たとおりヌメヌメにつつまれています。これなら茎もイケるに違いない。丸いのは花のつぼみの部分です。
水上に出て咲いた花。だいぶ地味ですね。あと沼に出るまで気づかなかったけど、水から出てる葉っぱがすごい虫に食われてる。
葉っぱの上はハムシ的な奴ら*1のパーティータイム!葉っぱに飽いたら交尾して交尾に飽いたら葉っぱを食うといった状態です。水をかぶっても気にする様子がない。
ヌルヌルした感触にはじめはとまどいますが、うまく爪でつまんでじゅんさいをゲットしました。プリプリの若い芽、かわいすぎる!
だんだん若い芽を探すのがうまくなってきて、少しずつじゅんさいがたまってきました。注意力散漫すぎて、まったくスピードが上がらないのですが…。
何に気を取られているかというとおもに昆虫です。きれいな水にしかいないことでおなじみのミズカマキリ*2を発見。
あまりにかわいいのでしばらくもてあそんでいたらボートの敷板のすきまに落として行方不明になってしまい、しばらく鬱な気分になりました。
「この沼のすべてのハムシに朗報!船のへりなら水をかぶらずに交尾ができる!」
金属光沢のある翅をもつチョウトンボ。生息地が減少しているようですが、この沼ではたくさん飛びまわっていました。
生き物の気配に満ち満ちていて、夏雲が湧いていて最高の気分です。
一時間の予定を30分ほどオーバーして、ビニール袋にこのくらいのじゅんさいをゲットしました。在華坊さんやマツさんはすごい集中力をみせていたのでもっと採ってたし、プロならさらにたくさん採れるんだろうけど、これは市場価格が高いワケだよ…。
夢のようなじゅんさいタイムを終え、もはや気分は余生のメレ山。「メレ山さんは男がどんな特技があったらカッコイイって思うワケ?」「素もぐりとかですかねー」という会話をしながら、キングスワン号は次の目的地へ向かいます。
やってきたのは鮭川村エコパーク きつつきコテージというキャンプ村。ここでバーベキューとじゅんさい鍋をするんだぜ!するんだぜっていうか、全部マツさんにお膳立てしてもらったのですが…ありがとうございます!
わたしがいやしいカモに夢中になっているかたわら、テキパキとバーベキューの準備は進みます。
さっきのカモがあっというまにおいしそうな肉片に!(違います)
鍋もおいしそうに煮えてきました。
われわれの血と汗の結晶であるじゅんさいダバー
じゅんさい鍋はトロリとしてこの世のものとは思えないくらいおいしかったです!それにしてもじゅんさいはなぜあんなにヌルヌルしているのか、あのヌメリの正体は何なのか謎はつきない…。
在華坊さんが道中買ってきてくれたさくらんぼ。山形といえばさくらんぼというわけで、山形の夏の味覚を存分に堪能しました。
みんな旅行記ブロガーなので旅行の話でも盛り上がり、とても楽しいオフ会でした。
夢がかなってしまったことを受け、プロフィールを
から
にしました!夢がつづくかぎりまだまだ死ねませんね…