「観用少女(プランツ・ドール)」の完全版が出てだねえ、それで、上巻「明珠」をば買っちゃったのね…。
- 作者: 川原由美子
- 出版社/メーカー: 朝日ソノラマ
- 発売日: 2006/12/15
- メディア: コミック
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観用少女っていうのは、製法は全くの謎に包まれている生き人形。この世のものと思われぬほど美しく、目が飛び出るほど高価で、一日三度のミルクと砂糖菓子、そして愛情が何よりの養分という少女趣味の粋を集めたような存在!キャー!川原由美子の絵がまたその憂き世離れした愛らしさを見事に描き出している。(ちなみに少女人形という設定に邪推される向きもあるでしょうがエロスは皆無)
世界観だけでなくてストーリーもなかなか。人形に魅せられた人々の悲喜交交を読み切り形式で綴っているんですが、観用少女というのは価格やら世話の手間やらとんでもない障壁の上で「その炎を飛び越えて恋」と言わんばかりに構えていて、しかも死ぬ思いで壁を越えていっても微笑んですらくれない事もある。愛情難シイネ。と思わずカタコトになってしまうのですが、いい話いっぱい入ってるヨ!特に印象に残ってるのは、枯れてしまった人形を悼む若者に人形商人がかける言葉。「愛されている者は責任など感じる必要はないのでございますよ 愛されているという ただそれだけのことなのでございますからね」
上巻「明珠」はハッピーエンドやコミカルな話が主に収録されているんですが、二月に発売予定の下巻「夜香」は思いが叶わない話やオカルティックなものが入るみたいです。上巻の単行本未収録話ふたつはかなり物足りなかったけど下巻はどうだろう。
- 作者: 川原由美子
- 出版社/メーカー: 朝日ソノラマ
- 発売日: 2007/02/23
- メディア: コミック
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