沙東すず

以前はメレ山メレ子という名前で「メレンゲが腐るほど恋したい」というブログを書いていました

告知・おしらせ

最新の日記はひとつ前からお読みください。

イベント出展予定

害蟲展 Season5のゲスト審査員をつとめることになりました。5/10(金)夜のオンライントークイベントで満田晴穂さんとお話します。お申し込みは下記のPeatixよりどうぞ。
https://peatix.com/event/3935608/
・2024/10/18(土)18:30-20:00 三鷹の本屋・UNITÉ(ユニテ)さんで、『速く、ぐりこ!もっと速く!』の早乙女ぐりこさんとトークをします。来店でのご予約は下記よりお願いします(配信およびアーカイブ視聴もあるそうです)。
https://unite-books.shop/items/6631f48f15680f04bd195cfeunite-books.shop
・2024/5/19(日)文学フリマ東京39に出展します。
・2024/5/26(日)のコミティア148に出展します。
昆虫大学2024 2024/12/21(土)-22(日) 東京・浅草橋の東京文具共和会館にて開校予定です。出展者リスト等はあらためて公式サイトにて告知します。

『奇貨』販売ページ

紙版:BASEでご購入いただいた場合、通常3~7日で発送します。
satosuzu.base.shop
PDF版:20MBあるためPCでの閲覧向けです。クレジットカード決済のみとなります。
(Kindle Direct Publishingでの販売も考えていますが、現在準備中です)

『奇貨』をお取り扱いいただいている書店リスト(※在庫状況はお店にお問い合わせください)

はちみせ(東京) 通販ページ
ホホホ座 浄土寺店(京都) 通販ページ
通販ページ
誠光社(京都)
通販ページ
Books 移動祝祭日  通販ページ
UNITÉ(東京)
お取り扱いいただける店舗がありましたらお声がけください。1冊~対応いたします。

(2024/3/31)マルゲリータのサイトで、本棚の導入事例を紹介いただいています。

www.margherita.jp

(2024/2/14)「となりのカインズさん」に寄稿しました

magazine.cainz.com

(2023/11/20)SUUMO「マンションと暮らせば」に寄稿しました

suumo.jp

日記(2024年6月3日~2024年6月9日)

2024年6月3日 月曜日
6時半に緊急地震速報で飛び起きるが、揺れは来なかった。能登でまた震度6の地震。新潟や石川県に住む、SNSでしか知らない人たちの安否をSNSで確かめる。
原稿でハイになっているのか、仕事にも遊びにもやる気が湧いてきてもりもり進める。午後は会議もなくてはかどった。
夜は大雨が降るらしいので、18時すぎに退社する。結局たいしたことはなかったが原稿の作業もある。
家でしばらくゴロゴロしてから、原稿を直して写真をつけて送る。前のマンションと今のマンションの写真が複数必要で、Googleフォトをさらいながら写真を拾っていると「たくさん遊んでてえらいな〜」としみじみする。

いいねは賛同を意味しないボーイVSいいねは容赦なく賛同とみなすガール。「いいね、リツイートは賛同を意味しません」「発言は個人の見解であり所属組織を代表するものではありません」と書きたくなる気持ちもまあわかるけど、そこに書くべきもっと大事なことあるだろ!ヘッ!!と思っちゃうな。

2024年6月4日 火曜日
去年の5月に引っ越してきて、年に一回は木の床にオイルワックスを塗ろうと決めたのを思い出す。殺風景な玄関のビニールクロスもはがして塗りかえたいし、寝室の一部も塗りなおすと決めたまま。家から出ないゴールデンウィークをおかわりしたい。
7月に台湾に出張することになりそうで、だんだん夏の予定が詰まってきた。この中でZINEを作る時間やイベント準備やヒメイカを見に行く時間も工面しないと…。とりあえず今週末は磯に行くことにする。
21時半まで残業。朝はあんなにやることを思いついてメモしているのに、夜になるとまったく気力が残ってないのはなんなの。

2024年6月5日 水曜日
記事に載せてもらうリビングの写真だけ気に入らず、朝撮りなおして差し替えの連絡をする。iPhoneを新しくしてから部屋の写真はiPhoneでいい、むしろiPhoneのほうが一眼よりいいこともある。
昔から部屋にテレビを置くとテレビを中心に家具の配置が決まっていくのがいやで、まるでテレビを信仰しているみたいな状態になってしまう。今の生活にはテレビはいらなくてiPadをスタンドごとあちこちに置きながら家事をしているのだが、テレビという中心を失った部屋は別の神を求めている気がする。
テレビより愛せる、テレビに代わる部屋の神は何だろう?と数年前に考えた結果は「暖炉」だった。今の家では無理なので、部屋はやっぱりなんとなく中心を欠いたままだ。
月初の締め作業に嫌々ながら取り組む。
20時半くらいで限界が来たので、焼き鳥屋で軽く飲んで帰る。

2024年6月6日 木曜日
会社のルールも変わったので、じょじょにマスクを外しはじめている。マスクを外すと人間の顔って情報量が多すぎて圧がある。
別事業所から出張してきた人がとなりの空いている席に座っていたので、資料にコメントしてもらったりする。
そういえばコロナワクチンってどうなったんだっけ?と思って調べたら、今年度から任意接種になっており、打ってくれる医療機関を探すのも大変そう(杉並区などではリスト化してくれているのに…)。
これはみんな打たなくなるな、わたしはなんとかして打つつもりだけど。親が医療従事者あるあるで、ろくに診察されたことがない。風邪薬をもらっておしまい。その反動か、病院で標準医療を受けるのが大好きになってしまいました。
お昼に中国ビザ用の写真を撮る。そのあとコンビニでそばを買い、食品を持っているので従業員エレベーターに乗ったから気付いたのだが、オフィスグリコの場所が変わっていた。従業員エレベーターの前の暗がりにあった。それはいいのだが、最近オフィスグリコがなくなったと思いこんで食堂の自販機で食べたくもないカレーせんを買っていたので地味にショックである。
21時ごろまで仕事。なんとか日常に変化をつけようと、はじめて行くラーメン屋にあえて立ち寄り、おふろにお湯を張ってつかる。

2024年6月7日 金曜日
粗大ごみを出すのを突然思い出し、あわててクッションと鉄板をごみ捨て場に持っていく。
午前も会議。後輩たちがかなり知識がついてきているのでディスカッションが楽しい。
お昼はサグカレーを買って公園に行く。遠足に来た子供たちがクーピーと遠足のしおりを抱えて歩いている。わたしも午後はお弁当を食べてクーピーでお絵かきしたい。したいんだよ!!
どう考えても陶芸の日と家事や原稿の日とひたすら眠る日で三日は休日が必要なのだが、実際は休日出勤も考えたほうがいいありさま。でも今週末は陶芸教室と磯に行くので、会社には行けません…。そこで水曜日を休日にして休日出勤するというのはどうでしょうか?あるいは一週間を8日にして3日を休みにするという譲歩案ではどうでしょうか?と思いながら公園を一周して帰ってくる。
午後も席で打ち合わせしていると腕にフワフワした感触があって、目をやるとカマキリの赤ちゃんが歩いていた。殺伐としたデスクに突如カマキリのアカチャンが!!
だれかが引き出しにカマキリの卵を入れてそれが孵ったのか?ととっさに思ったが、そんな小学生みたいなことをしそうなのは見わたすかぎり自分だけだった。コケリウムの容器に入れて、会社の植栽に放つ。大きく育て。
帰宅後、玄関の一部を塗装すると決めて養生までやる。もっと先にあるべきことはたくさんある気もするが、逃避した結果玄関がかわいくなるなら儲けものやろがい。
作業しながら部分ツイートの人(森川真さん)のスペースを聴く。視聴者が出したお題に部分ツイートで答えるというのをやっていたのだが、「冒険の受けの部分」に「…セメントの攻めの部分」と答えるのが速くて笑ってしまった。

2024年6月8日 土曜日
ぐずぐず起きだして陶芸教室へ。
しばらく同じ型でタタラ作りのカレー皿をつくり続けることにしている。5枚は作りたい(おまえの人生に5人でカレー食うことあるのか?)
大きめのお皿で上絵の練習をしたいとか、お皿はやっぱり5枚組からだよな!とかいろんな思いがあるが、同じ皿を数週にわたってつくり続けると先生によってやり方が違うのがわかってきて、逆に言えば絶対外せないポイントも見えるので想像以上に勉強になる。今日は2枚め・3枚めのお皿を成型した。
タタラを切り糸でスライスする作業をはじめてやったら非力すぎて、糸が土に入っていかない。先生に代わってもらう。先生がやっているのを見ると、同じ作業には見えない。陶芸には見た目より力がいる局面が多くて、ベテランは一見涼しげな文化系に見えるが実は体育会系というところが吹奏楽部とかに近い。先生もかわいらしい人なのだが、サッカー・ランニング・起き抜けの腕立てなどをやっているとのことである。
ノートを作って帰ろうとしたら、Uさんが「来週何人かで集まって上絵をやりましょうよ」と声をかけてくれる。Uさんはいつも器ではなくオブジェを作っている。ムードメーカーで、新参者にも声をかけてくれてありがたい。
帰りがけに駅の花屋でレピスミウム・ホレティアナムという葉が下に垂れ下がるサボテンの仲間を買う。インナーテラスをもっと森みたいにしたいが、店員さんは「日当たりと風通しの良いところがいいです、室内ならサーキュレーターを回すと虫がつきにくいですよ」と真剣な顔で言っていた。実際には軒下に吊るすのがいちばんおすすめらしい。インナーテラスで枯れそうになったら外に出すことも検討しよう(この調子で、実際にインナーテラスで育ってくれる植物は少ないためベランダに移っていく)。

中華料理屋でごはんを食べながらブックオフで買った文庫本を読み、夜は玄関の一部を塗装する。せっかくだから寝室の引き戸の裏の塗り残しになっていた部分にも挑戦。なかなかの活動量。
これまでは一度に広い範囲を塗装することが多く、下塗りが乾くのをわざわざ待つ必要がなかったのだが、玄関と寝室を交互に行き来してもシーラーが乾かず閉口した。なんとか仕上げて1時ごろ寝る。

2024年6月9日 日曜日
今日は干潮なので磯に行くと決めていた日。ちょうど一年前にも行った城が島に行くことにする。
電車では宮部みゆき『スナーク狩り』の文庫本を読み、三崎口駅から城ヶ島行きのバスに乗ろうとしたらぎゅうぎゅうの満員だった。みんなそんなに磯に関心が…?!と身構えたが、ほとんどの人は三崎港で降りる。まぐろを食べて海を眺めて帰るのだろう。
白秋碑前で降りて、城ヶ島公園へ。曇っていてもしっかり暑い。
一年前はワクサカソウヘイさん・安部萌さんと行って、普通種ながらたくさんの生きものを見られたしタコも登場したのだが、今日はさっぱり。磯に人が多すぎるのも原因かもしれない。写真を撮ったのは透明感がきれいなイソハゼと、のそのそ歩いていたムカデミノウミウシくらいでした。
13時すぎに磯を離れたが、バスが城ヶ島公園までは来ないのを忘れていて一本逃す。バス停前にあったかき氷屋でハワイアンビールを飲んで時間をつぶす。こんなお店、前回は見当たらなかった気が。去年は平日に休みをとって行ったんだっけ?
帰りの電車で『掃除婦のための手引き書』を読もうとしたら寝てしまう。帰ってからも2時間くらい夕寝。
起きだして磯道具の片付け、カエルとアリの世話、そして塗装した玄関の壁にユカワアツコさんの箱絵をかける作業。壁にかける手順はいろいろ迷ったあげくにユカワさんにメッセージを送ってアドバイスいただいたのだが、おかげで意を決して箱に三角カンを取りつけることができた。

しめきりが迫った8月コミティアの申込をギリギリでして就寝。ジャンルは迷ったあげく旅行記に。次こそ磯遊びとグアテマラのZINEの新作を!と思ってるけど、現状ぜんぜん時間がないね…でもしめきりがなければ一生やれないからがんばります。

日記(2024年5月24日~2024年6月2日)

2024年5月24日 金曜日
ブログが続かないので、アプリで記録して週次でアップロードしようと思い立つ。このアプリはリマインドもあるし、インターフェースがかわいくてなかなか良さそう。
有料機能はある程度テストしてからでいいと思ったが、Face IDやエクスポート機能を使うためにすでに1500円課金しそうな勢い。
朝から大事なミーティング。
終わって席に戻ると、同じフロアの人が来て「ドレスコード違反の人がうちのフロアにいたらしくてみんなで探してる」「その人が派手なスカートをはいてたらしい」と言われて「終わった……」と思ったが、わたしのことではなかった。スカートではなくて、職場の安全基準に引っかかるいでたちだったらしい。エミリオプッチみたいな色調のカモ柄のロングスカートをはいていたので、必要以上に焦ってしまった。
日記をつけはじめたのは文フリに出て日記本を読んだ影響もある。しりひとみさんの『異常係長日記』は良かったな。会社員の日常、クリエーターのみなさんが思ってるより波乱に飛んでます。書けないことが多いだけで。

午後はフロアに人が少なく平和だった。
上司のABTCカード申請を手伝う。あまりにも申請がエラーで弾かれるので、Windows11が悪いのか外務省が悪いのかは知らないが「ニッポンの未来は…?世界がうらやむ…?」という心境になる。とりあえず出張しやすくなるといいな。
潮汐表を見ながら手帳のいい潮の日に印をつけただけで、磯に行きたくて死にそうになる。干潮が20センチ以下の日は会社休みにならないかな。
陶芸をはじめてから月に一回は休むし土曜はつぶれるので、休暇をとりづらいし体感的にたいへん忙しい。慣れるまでがんばるしかない。海生無脊椎動物展は土曜の朝にねじこむことにする。
風邪薬を飲みつづけていたら口内炎ができたので、玄米と厚揚げ・みょうが・ねぎのおみそ汁をつくる。一汁一菜の菜は玄米でもええんですか?土井先生。多分ええですよね。
献本のメールを一通おことわりする。面白そうかどうかではなくて、確実に読んで感想を書けるだろうというものだけお受けするつもり。でもそういう本は、自分で買うからなあ。

2024年5月25日 土曜日
防犯網戸のおかげで家にいい風が吹くようになった。
朝ごはんは玄米と勝浦で買ったのりのふりかけ、昨日のおみそ汁。のりの香りがいい。
家を出て国立科学博物館の海生無脊椎動物展へ。漢字が多い。電車の中で佐渡行きの日程候補を友人に連絡してみる。夏の予定もどんどん埋まっていくな。
かはくの展示といえば大混雑で有名が、実際30分前からなかなかの行列ができている。この人たちは特別展の大哺乳類展が目当てらしい。海生無脊椎動物展も特別展だと思っていたが、こちらは常設展チケットで見られる企画展示のようだ。みんなそんなに背骨のある生きものが好きか。宮田珠己さんみたいな言い方をしてしまった。
日本館1階の企画展示室で海生無脊椎動物展を見る。規模は大きくないが、海の中のよくわからん人たちの34系統についてわかりやすく解説されており、ビジュアルのうまさがさすが科博。左右対称の生きもの、五放射の生きもの。展示内容のリーフレットものちのち(海のよくわからん人を調べたり文章に書いたりするとき)役立ちそうなので大事に持ち帰る。ミュージアムショップでは展示にあわせて誠文堂新光社のネイチャーガイドシリーズ・ウミウシとヒラムシが売られていて、迷ったがどちらも買ってしまった。ヒラムシの図鑑なんて、あとから欲しくなっても買えないに違いない。

せっかく来たので常設展の日本館と地球館も駆け足で見てまわる。ダンクルオステウス、マンモスの骨でできた家、アーケロンなどが今も健在。巨大アンモナイトの展示でコレクターの手記に「熊の足跡を同行のひとりが怖がって何度も帰ろうというので、先頭に立って足跡を消して歩く」と書いてあり、今なら炎上必至のワル自慢。
電車で陶芸教室に移動。陶芸教室では両手カップの素焼きと平皿二枚の本焼きをそれぞれ窯出し。平皿のうち一枚は薄くしすぎたためか、反った円盤みたいになってしまい完全に失敗。もう一枚はなんとか皿になったので上絵付をしてみるつもり。
その後、タタラ作りのカレー皿に再挑戦する。できれば同じ型で何枚か作って、タタラと上絵に慣れたいところだ。図鑑とお皿を背負って歩きまわったので足が棒になる。
帰宅後に仮眠。20時半からまた動きはじめる。『リプリー』『蛇の道』を観ながらコミティア準備、名刺注文、本の発送準備と陶芸ノートづくりなどをバタバタやって就寝。

2024年5月26日 日曜日
コミティアに出展。今回は動物ジャンルで出ていたのもあり、シラバスがそこそこ売れた。「秋山あゆ子さんがおすすめしていたので『奇貨』を買いにきました!」という方と、「えっ?!秋山あゆ子さんが寄稿されているんですか?シラバス二巻とも買います!」という二人連れの方がいらして、秋山さんに心からLove...と感じた日でした。
イラストレーターのNさんがブースに来てくれて、ツマガリのクッキーをいただく。関西からの遠征なのに素敵なおみやげまで用意してくださって、なんていい人なんだ……心のこもったプレゼントをいただくたびに思うのだが、わたしがあれこれ悩みながら選ぶ手みやげはしょせん人間のフリでしかない。手みやげヘタクソ選手権に出られる。
節目になるので最近は毎回申し込んでいるけれど、創作系イベントに出るなら新刊があったほうがやはり充実するのだろう。順番からいうと磯についてのZINEだけれど、グアテマラ旅行記も早めにまとめておきたい。
連休で二週間グアテマラに行って、トークイベントに出て文フリにも出てコミティアにも出て、毎週土曜は陶芸教室で一日つぶれるのでとにかく忙しない一か月だった。楽しいことや自己実現って、8割の面倒な準備でできている。楽しくないことは100パーセント楽しくないのに不公平だ!
混雑を避けて15時に撤収したが、早く帰ったとて何もできず夜までぐったりしていた。こんなにやることがあるなんて実は錯覚なのではないだろうか、つまりは忙しぶっているだけなんだ!と現実逃避にふける。やりたいことは山のようにあるけれど、悩む前に手を動かせるような習慣を作っていくしかない。

2024年5月27日 月曜日
今日は飲み会の日。崩していた体調は回復したのだが、なんとなく憂鬱な気分。
オフィスになんだかゆるい空気が流れていて平和だった。同僚から保活や子供のお受験の話について聞く。同僚のお子は産まれて2か月だが、最近みずからの右手の存在を認識したらしく凝視しているそうだ。
早めに職場を出て、有楽町の中東料理の店へ。強くコース料理を推され、5人でお料理3300円のコースを頼む。ピタパンにとにかくいろんな味のものたちをつけて食べておなかいっぱいになる。
鳥や虫を撮るのに最適なカメラの話、労せずして売れたい(何かで)、地面を制するものが経済を制するから地面が欲しい、親戚の謎が大人になってから明らかになる、お酒を飲んで地面に転がっていると彼氏ができやすいらしい、人間は不安を追い求める、よい人間になりたいなどの話をした。
帰り道でTさんに「一年経ってだいぶ元気になったの?」と訊かれて「陶芸教室にふたつも行きはじめてしまい、つねに疲れていてなにも考えられない……」と答える。つねに疲れているしタスクに追われている感じがする、たまに達成感を感じることもある。それが標準だとすれば元気なんじゃないかな?失恋したあとそれを書いた文章を作って900部売ることで乗り越えてる人間なんてあまり見ないから、客観的には元気だと思う!
冬のイベントの準備もしないといけないけど、いきものクリエーターイベントもずいぶん飽和してきてるよね、という話をして解散した。飽和しててもいいんだけど、自分で自分のやることに飽きない工夫が要るなあ。

2024年5月28日 火曜日
会社のえらい人と部署のメンバーでランチ。えらい人は今年でご退任なのだが、仲良しなのにここ数年はお食事会もできていなかったのでかなしい。父くらいの年齢の方なので、飲み会で万が一にもコロナを伝染すようなことがあってはならなかったのだ。
仕事をためこんでいることへの不安がすごい。やっとイベントのない週末なので、土日出勤しようかな…と思いつつ、台風が近づいているので早めに帰る。
先日のNさんからLINEがあり、16人以上でないと予約できない中華街の高級お粥をこんど食べに行きたいという。16人以上でないと食べられないお粥。グリードアイランドか?
人脈のすべてを動員しないと一度には集められない人数だが、知人の知人も動員して高級お粥を食べるのは楽しそう。肉やホタテの出汁が詰まっているらしいが、まじめにそれらの食材を食べているとお粥が入らない気がするので、自分のぶんもホタテを食べてくれる人を連れていき、わたしはうまい汁を吸った米を食べたい。エビ・カニ・タコ・イカ・貝類には基本的に生物学上の興味しかない。これは姉妹共通であり、あるとき島根の旅館で「エビやカニは遠慮したい」と申し上げ、映え食材を封じられた宿の人に「そんな……全員ぶんですか?!」と泣きそうな声を出されてしまったことがある。かわりにお刺身にしてもらって我々は嬉しかったのだが。

2024年5月29日 水曜日
起きたら文フリ後の打ち上げで会って同人誌を交換した人が『奇貨』の感想を書いていてくれてなごむ。900部売ったけど、ぜったい面白いからもっといろんな人に読まれたいのでまったく満足してない。
昨日の雨風で倒れた鉢を片付けて出勤。いつもより早い時間に入っていたミーティングを忘れていて、開始時間ちょうどに出社してしまい冷汗。最近何事にも身が入ってなくて反省。
いろんなことを先延ばししているときに思い出すのが、ハンターハンターのマフィアのおっさんである。娘のもつ予知能力で無双していたおっさんが、それがなくなった途端に「今月…オレは…オレはどうしたらいい? 教えてくれ オレは一体どうする?!」ってなっちゃう。わかるな〜。オレは一体どうする?!あと一週間の日記にハンターハンターネタが2回出てくるのは怖いですよね。
棚上げしていた作業に取りかかる覚悟を決めて深夜残業。今週末休日出勤したら終わるかな……道のりは長い。
すぐ寝たほうがいい時間に帰宅したが、なにか自分のためだけにすることがやりたくなり、タカハシカオリさんの作品を壁にかける。新たに買ってきたフックネジとひっつき虫でなんとかなった。

2024年5月30日 木曜日
毎日10時から17時くらいまでいろいろ会議があって、それから自分の仕事がはじまるって感じ。昔はもっとひまだった気がするんだけど何をして過ごしていたんだ?
昭和のころは拘束時間は長いけど、取引先におつかいに行って帰りにこっそり喫茶店でコーヒー飲んで…みたいな脳が疲れない仕事も多かったのでは。仕事の中身がどんどん細分化されて、仕事のための仕事が無限に増える。
気分転換と最低限の健康のために昼は近所の公園まで歩いて、ごはんを食べてから一周して帰ってくる。ついに日傘を導入した。暑い。
午後の報告会でおもに説明を担当する。なんか今日はやけに口が回るなと思っていたら、後輩に「説明うまかったですね、うまいとかわたしがほめるのも変ですが…」とほめてもらう。ワシが君の年齢のころはほんとに会社員のテイをなしておらんかったよ…と最近しみじみしがち。
各自が今年の目標を設定するたぐいの作業があり、参考に他部署のぶんを読む。そこそこ達成できそうな低い、あるいはふんわりした目標にする人も多いなか、めちゃくちゃまじめな性格で名高い人がひとりだけめちゃくちゃ重めなハードルを設定してて「相変わらず性格が重すぎる」「これは萌える」と盛り上がる。まじめすぎて受け止めきれないことも正直あるのだが、こういう人はなんだかんだ好かれるよな。
今日も17時から23時まで検証作業。終わりが見えないが、いつかは終わるに違いない。

2024年5月31日 金曜日
朝は光がいいので家のなかの写真を撮りたくなる。撮りたい画角が撮っていいくらい片付いていることは少ない。
特に棺桶部屋の写真は我ながら変な家だなと思う。ベストセラーじゃないほうの『変な家』。雨穴(うけつ)ならぬす穴(すけつ)。

上司とのあいだで「ハイの気持ちじゃないときにハイと言うときのハイ」という符牒がある。鼻に空気を抜いて発音するのがポイントであり、ニュアンスとしては不動産屋の営業の人が「わっ…かりました!!」というときのひと呼吸ある感じに近い。
お昼前に一アイデアをかまされたので「アッハァイ」と言ったら「出たよそのハイ!目からビーム出すな」と言われて爆笑した。ほんとに納得してないときのハイではないのでご了承願いたいところである。
朝、昼、夕と濃い討論をしたため全員脳を酷使し、以後めちゃくちゃどうでもいい雑談をしまくる。気をとりなおして23時まで残業。
帰ってからムネアカオオアリのえさ場の交換をする。えさ場の壁にベビーパウダーを塗っていたのだが時が経つとともに剥がれてしまったので、アリがえさ場の天井に登れるようになってしまった。えさをやりづらいし、ゴミが山と積み上げられていて汚い。同じくベビーパウダーで登攀防止した衣装ケースの中に巣を入れ、Antroomさんで新しく買ったえさ場に接続。交換中に巣から出てしまったアリは吸虫管で吸おうと思ったのだが、失くしてしまったようなので手でなんとかしました。
新しいえさ場にアントサプリとメープルシロップを混ぜて水で溶いたえさを置くと、ハチャメチャに集まってきて、飲んだものから空腹のものに口移ししはじめた。お腹空かせてごめんな……。10年選手の女王アリも、まだ元気に卵を産んでいてすごい。ほとんど手がかからないとはいえ、犬や猫と過ごすような年月を女王アリと過ごしている。

2024年6月1日 土曜日
今週末もやることが多い。朝からベランダを掃除して洗濯機をまわす。ウンベラータ、月下美人、極楽鳥花はベランダに出すとずいぶん元気になった。インナーテラスで育ってくれるのはビカクシダくらいだ。
陶芸教室で、先週再挑戦したタタラ作りのカレー皿の調子を確かめる。乾燥時に底が上がってこないようにビニール袋に入れた水や砂でおもしをする準備をしていったが、先生に見てもらって結局不要になる。そのあとは無心に削っていたら時間になった。
陶芸も絵付けも、まだ自分が思ったようなものが作れるわけではないので楽しみより義務感で壁を越えようと通っている状態。でも無心になれる時間があるのはいい。
中年の趣味の9割は精神が無になる要素があることに帰結するのでは…?と、陶芸教室後に居酒屋で生ビールを飲みながら考える。飲酒とかサウナとかランニングとか。無じゃないほうの喜びといえば磯だな。春はまったく通えなかったが、夏はまた磯に行きたい。
帰って月曜しめきりの原稿を書くはずだったが、西荻窪に行ってしまう。西荻窪のことビルで、iinaというアパレルの展示を見てインドのブロックプリント生地でカットソーをオーダーする。ついでに雑貨屋FALLにも立ち寄る。
帰宅後は想像どおり寝てしまい、日付が変わるころ起きて顔を洗ったり新しいスニーカーに靴紐を通したり爪をみがいたりしていた。原稿の予定は日曜にスライドしたので、日曜に美容院と休日出勤と原稿をすることになり、ただ遊んでいただけの土曜日となりました。

2024年6月2日 日曜日
疎遠になった人たちが部屋にいっぱい来て好き勝手される夢を見る。現実でも身に覚えのある理不尽。夢の中で好きなだけ文句を言えて、目覚めは悪くなかった。夢が起きている間の不満を交通整理しているのだと思う。
まずは予約した美容院へ。もう10年以上お世話になっていると思うと不思議な感じ。グアテマラ旅行の話などをする。美容師Eさんがケツァールの写真を見て「ぼくは疲れた時とかによくこれを見ています」と教えてくれたのは、Netflixオリジナルの「ダンシング・ウィズ・バード 驚きの求愛ダンス」という番組。
蔦屋書店などをのぞいてお昼を食べてから会社へ。平日だけでは作業が終わる見込みがないので休日出勤である。やりたくはないが捗ってしまう。
しかしPCのキーボード入力がだんだん効かなくなってきた。こうなるとアプリケーションを再起動しないと直らない。これがWindows11のせいなのか新しいノートPCのせいなのか、あるいは会社のなんかの設定のせいなのかは不明だがとにかくここ数か月の謎である。Windows11のせいだとすればプライベートのノートPC購入もかなり憂鬱なことになるので、いっそ会社のせいであってほしい。でもノートPCなしで昆虫大学とかのイベントを乗りきるのは難しい…。
明日がしめきりの原稿もあるので、早めに退社。帰ってしばらくソファでだらだらしてから、観念して取りかかる。そのまま深夜まで作業。結果的に去年を振り返るような内容の寄稿なのだが、原稿を書くためにメールや書類を参照して時系列を整理していると「がんばりやさん!!」という気持ちになってきて、結果的に書いてよかったな。あんなに精神がズタズタだったのにこんなに忙しくてよく乗り切れたなとも思うし、こんなに忙しかったから乗り切れたんだなという気持ちもある。明日推敲して写真を添えれば間に合いそう。
鳥の求愛番組もしっかり観たのだが、パプアニューギニアのフウチョウたちは健気すぎる!ここまでされたらメスも嬉しかろうと思ったが、求愛されているメスはなんともいえない顔をしていた。パプアニューギニアでもバーディングしてみたいけど、グアテマラで会えたような優秀なガイドがいないと何ひとつ見られないんだろうな。

ノーダンゴウオの夜磯

2月の大干潮の夜には、ダンゴウオが関東某所の磯にも産卵にやってくる。と聞くたびに胸を躍らせていたが、これまでなかなかチャンスがなかったのだった。
金曜の夕方に集合し、Tさんの運転で磯に向かう。Tさんはダンゴウオ観察の経験者であり、長手袋やエビ網など必要な装備についても惜しみなく教えてくれたあらゆる意味で頼もしすぎる存在。本当は4人で行くはずが急な事情で3人になったのだが、車中ではダンゴウオの生態について教えてもらい、マイナス干潮への期待でおおいに盛り上がる。磯遊びが趣味になると「マイナス干潮」というフレーズに高揚する特異体質になる。秘密結社・マイナス干潮の会のものです。

干潮の一時間前に磯に到着し、ウェーダーに着替えてスポットに向かう。ウェーダーと暖かい帽子をかぶるとほとんど寒さは感じず、歩いているとうっすら汗ばむほど。夜の岩場を歩くわれわれは、月に降り立った宇宙飛行士のようだ。そういえば新月なのになんか足元に安心感があるな、と思ったら、磯友Kのヘッドライトがびっくりするくらい明るく輝いている。


砂浜には冬でもハマダンゴムシ(通称ハマダ)がいる。オカダンゴムシよりひとまわり大きく、目もつぶらでかわいらしい。ここでハマダと戯れていたくなるが、ぐっとこらえて海に踏みこむ。


ライトで照らすと、海藻が美しくそよいでいる。
Tさんによれば「ゆっくり目をこらしながら歩いていくとビー玉くらいの大きさのものが驚いてフワフワと泳ぎ出すので、それをエビ網で優しくすくうといい」とのこと。


風もなく、胴長とあたたかい帽子で武装していればそんなに寒くもなく、これでダンゴウオさえいれば完璧なのだが…
いるのはウバウオばかりである。ウバウオも今回はじめて見る魚だが、なかなか顔がかわいい。ダンゴウオをこの辺で探すときはウバウオ、そしてビクニンが一緒にいることが多いらしい。ビクニンもいるなら見てみたいのだが見つからず。


夜磯では毎回見かけるようになってしまったヒョウモンダコ。正直いってタコは毎回嬉しいのだが、南方系の生きものがよく見られることとダンゴウオがいっこうに見つからないことが「温暖化」というキーワードで繋がってしまうとしたら、かなり複雑。
磯に8人くらいの若者たちがやってきて、磯のローラー作戦みたいになる。近所の学校の水産系の学生らしく、この冬は4回ここに来ているがなんと一度もダンゴウオを見つけられていないとのこと。
いちばん光量の低いヘッドライトをつけた学生さんがKに「そのヘッドライト、高いやつですか?」と質問していた。Kの2500ルーメンのレッドレンザーは、新月の磯に降り立った天照大御神であった。わたしも欲しい。


クモヒトデに寄生している小さな貝。

潮が満ちはじめてからも去りがたく磯を調べつづける我々だったが、結局ダンゴウオは一匹も見つからず。Tさんは「ここまで戦果がないのははじめてです…今年が暖冬なだけならまだしも、ダンゴウオがここに来なくなったとしたら大問題…」と茫然としていたが、わたしはダンゴウオがどれくらいの確度で見られるものかもよくわかっておらず、とりあえずひさしぶりに夜磯に行けて満足だった。すべての生きものは、この目で見るまでは都市伝説。
TさんはわたしとKのふたりを宿の前で降ろして帰路についた。めちゃくちゃお世話になってしまいました。
翌朝は早めに宿を出ていったん家に向かう。このあとは冬の佐渡旅行が待っているのである。磯道具をきれいに洗ってできるだけ水気をとり、スーツケースに入れて出発。

日記

ホームセンターのウェブメディア「となりのカインズさん」に寄稿した記事が公開されました。
magazine.cainz.com
書きながら思ったのですが、ベランダのビオトープもろくに維持できない人間がいずれは三浦半島に庭つきの平屋を持ち、いろんな果樹を植えたり壺でハスの花を育てたり、ビオトープを造成して近所の森からカエルやゲンゴロウをご招待したり、磯でとってきたお魚を海水水槽に入れて観察したい、もし陶芸を本格的にやることになったら窯だって作れるじゃんなどと考えているわけで、かなり破綻する可能性が高いですよね。それでもやりたいもんはやりたいんだよ!
できれば気力体力がまだ残っている40代のうちにはじめたいと思い、三浦半島の物件を内見したりしています。怖いなあ。


以下はまったく関係ない話。
かつて仲良くしていた作家さんが受注制作を前金で請けたままお客さんとの連絡を絶ってしまうということがあり、イベントの主催者にも問い合わせの連絡が来るようになった。わたしの主催したイベントでは直前で出店キャンセルとなったので、直接に金銭的被害を受けているわけではないが、身近なところに困っている人が複数人いる状況だった。
この一年ほどの間、関係者と連絡を取り合って話を進めてきたが、いろんな人の協力もあり、把握していた未納分について返金が確認されたのがつい最近のことだ。その途中でもいろいろなことがあって長い道のりだった。
本人とは結局直接やりとりできていない。入院などしている状況ではないようだが、実際のところ何が起きていたのかはもうわからない。
心情としては「心配している」も「怒っている」もどこか正確ではなく、「なんか疲れた」がいちばん近い気がする。
自分のキャパシティを超えて返しきれないものを背負ってしまい、どこかでそれを認めて仕切り直さないといけないのに、まだ乗りきれるし巻き返せると思っている人の受け応えにはどこか似通ったところがある。そこに他人が口を出しても好転することはほとんどなく、何かを言っても言わなくても苦いものが残る。連絡が絶えたまま困っていた人たちのことを思うと、お金が返ってきたのは本当に良かったと思う。

根暗の杖

ちょっとずつ気分が上向いているが何事も成していない、という日々が続きます。まあでもそれくらいの焦りがあったほうが、あとから見れば少しずつ進んでいたということも多いですよね。
イベントのあとには毎回落ちこんでしまう、という話を友人にしたら「自分も毎回そうです、これが麻痺しちゃうと、ハレをハレで洗うことしかできなくなる貧しさに陥っちゃったりするんだろうから、我々は健全そのものですよ!」と励まされる。中年になっても落ちこみやすいのは変わらないが、たしかにすこし慣れてきた気がする。いきなり立ち上がろうとするのではなく、寝返りから上体だけ起こそうとするしぐさ。


「哀れなるものたち」を映画館に観に行こうと思い、予習のつもりで「女王陛下のお気に入り」を配信でひさしぶりに観なおす。かなり好きな映画。それぞれがその立場ならそうするだろうということをした結果、わりと最悪になる話が好き。
「哀れなるものたち」がこれを超えるかはわからない。前評判を見る限りではここが気になるかもな、という部分がある。ここが気になるかもな、が多すぎて、評判がよくても映画館に行けない映画が無数にある。
12月には「首」と「トーク・トゥ・ミー」を観て、どちらも映画館で観てよかったなと思えた作品だった。北野武のシニカルでペシミストだけど、決して冷笑的ではないところが好き。「トーク・トゥ・ミー」では、トラウマを抱えた人間が濡れた服のように周囲に貼りついて行って煙たがられる描写をことさらリアルに感じた。


それはないだろう、という話を三件くらい立て続けに聞いて、げんなりする自分とすこし奮い立っている自分がいる。喜びや向上心よりも、怒りやこうはなりたくないという気持ちのほうが自分を起たせてくれる。逆の人間になってみたかった気持ちもあるけれど、根暗も突き詰めれば杖にはなる。
直接巻きこまれずに済んだのは『奇貨』を書いたからかもしれない、と思うことがあった。怒らせたら何をするかわからない人間だと思われることで舐められずにすんだのだとしたら、まさに「ジャンプを腹に巻いていたので刺されても生きてました」みたいな体験だな、と思った。腹に奇貨を巻いていたので無事でした。

二択でだるい方を取る

イベントが多くてそわそわするけど、よく見ると何も進んでいない師走のこの感じが好き。コロナ禍に入ってからの12月はもっと陰鬱で、この晴れがましさをすっかり忘れていた気がする。疫病を撃退したわけでもないのにそわそわしているのもおかしいのかもしれないが。
仕事を終えて家に帰り、寒いからといってふとんに潜るとそこで一日が終わってしまう。最近はこのバッドエンドを回避すべく、

と書かれた38日前の下書きをいま発見した。バッドエンド回避の救世主はガスストーブである。帰ってすぐガスストーブをつけることで、平日夜を自分のために使う戦いが0勝5敗から2勝3敗くらいになる。

年末は家で忘年会をしたり、鯉を川で採るところからはじまる中東料理会に行ったりなんだかんだと忙しなく、いろんなことがとっちらかったまま冬休みに突入し、大分に帰省。

猫のかつおちゃんとすこしだけ仲良くなった。といっても、わたしが居間のこたつでぼんやりしているとかつおちゃんがくねくねしながらやって来てそばの小引き出しを開けろと促すのでおやつをあげる、そのときにちょっとだけ触らせてもらうという生態系がうまれただけである。そのほかの猫たちは屋根裏の猫ちぐらに引きこもるか、たまに居間の入口に立って「あの知らん人を追い出してもらえますかー!!」とブーイングしている。この家に人に甘えたりいっしょに寝たりしてくれる猫がいたのはずいぶん昔のことになる。

この不信に満ちた目…。

帰省中は父と姉と毎日ドライブしていた。父のお目当ての冬鳥はまったく見つからず「おらんな〜」と言いながらあちこち走り回っていると14時くらいになり「お昼を食べると夕飯が入らん!」という話になる。なぜなら17時には夕飯がはじまってしまうからです。実家の夕飯の時間はどんどん早くなっていく。母は日課のウォーキングやiPadでドラマを観る時間を捻出するため、夕飯を早く作って早く片付けたいのだ。このまえ二番目の姉と話していて「母ちゃんはもうごはんを作るのに飽きてるんよ、代わりに作ってあげるか外食に誘うといいよ」という話になる。

母は料理が上手で昔は台所に人を立ち入らせない感じだったのだが、年月がたつとやはりスタンスも変わるらしい。すず子には親孝行がわからぬ。すず子は村の牧人である。村の牧人はだいたいわたしより親孝行してそうだな。

元日の夜、わたしが夜の特急ソニックにちりんで福岡に移動するため、なんと16時から焼肉の準備がはじまった。いや16時からやらずとも間に合うのですが、と思っているところにTwitterのタイムラインで揺れた報告が出はじめて、あわててテレビをつける。能登の地震のニュースに思ったのは、まず絵付教室の先生や九谷焼の作家さんのことだった。能登で多拠点活動している人と年明けに会う約束をちょうどしていたところだったが、どうなってしまうのか。
※その後、その集落の被害は比較的少なかったのでボランティアなどの復興支援の拠点として整備されているとのこと。クラウドファンディングもされています。
【令和6年能登半島地震】能登の古民家宿TOGISOを復興支援拠点として整備したい - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)

不安な気持ちを抱えたまま福岡に移動し、博多に一泊する。2日からベトナムのホイアンに行き、マメコがテーラーで服を作る様子を見学させてもらうことになっている。
2日の夜、ホイアンのフォー屋で落ちあったマメコ氏は「すずちゃんいいタイミングで来たよ」とのこと。それまではホテルの部屋中に布地を広げ、テーラーとどの生地でどの服を何枚作るかのやりとりを繰り広げてゆっくり飲む暇もなかったらしい。

ホイアンは美しい小さな街だ。滞在中はちょっと出かけてはフォーやバインミーを食べて、コロニアル様式のおしゃれなカフェでお茶をして、テーラーから呼び出しがあると服のチェックに出かけ、疲れたらホテルに戻って休み、夜も美味しいベトナム料理やワインバーに出かけ…という優雅な暮らしを送っていた。マメコが服の販売会をするたびに「なぜこの人はタイで生地を作ってベトナムで服にして日本で売るという、しかもほぼ一点ものの服をこんなにもたくさん作るしんどい商売を…?!」と思っているのだが、本人にしてみたらそれこそが楽しいのだということもなんとなく納得できた気がする。




そうして迎えた1月13日・14日のマメフェスは、服の点数でいうとこれまでで最大に近い規模でした。

常連さんが九州や四国からも駆けつけ、さらに前日からアイロン掛けなどお手伝いくださる方も。しかし一点ものが多すぎ「選べなさすぎて悲しくなってきた…」と言われていたのが面白かった。上の写真は途中で雨が降ってきて、マメコから親切心でゴミ袋をかぶせられているお客さま。

イベントが終わってひと安心ではあったのだが、販売会はいつもドーパミンが出すぎてそのあと気分が落ちこむことが多い。今回も二週間くらい冬季うつの典型的症状を示していたが、だんだんやる気が戻ってきた。
月一回の絵付教室に通っているとうつわの方も作りたい気持ちが高まってきて、陶芸教室は都内にたくさんあるが、自分のやりたい分野のものはとても少ない。前からちょこちょこ調べていて、ちょっと遠いけれど通うならここかな、と思った教室はホームページの連絡先がすべて死んでいる。メールもエラーで返ってくるし電話も不通。
あきらめて別の教室を探そうかと思ったが、やる気の出ないときに持ち直すコツとして「ちょっとだるいほうの選択肢をあえて二択で選びつづける」というのがある(本当に調子が悪いとこれができないのだが)。そこで今日、電車に乗って病院に出かけたついでにその教室に向かい、突撃ピンポンすることにした。
迷惑がられたり「今は新規入会を受けてないんですよ」と言われる展開も想像していたが、主催の方こそ居なかったものの講師の方々がいて「どこで知ったんですか?ホームページ?ここホームページあるの?」と言われる。そのままスマホで検索して「あるー!」って言ってる。連絡先は古いので直すらしいが、わたしは自分が入会できそうな雰囲気なので(直さなくていいのに…)と思った。連絡先が死んでるのに突撃してきた猛者はわたしの一年前にきた受講者だけらしい。
そのままわちゃわちゃと教室の説明を受け、主催者にもつないでくださるとのことで達成感に包まれて帰ってきて、いま猛然と日記を書いているわけです。単純だなあ。