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メレンゲが腐るほど恋したい

旅行記や生きものの話を写真多めの長大な記事で送ります

パネル展のお知らせ&日本むかしばなしの里・遠野の秋サイクリング

メレ腐パネル展のお知らせ、遠野メルヘン紀行、猫をとろかす愛撫法など相変わらず胃もたれする内容でお送りします!

渋谷の大盛堂書店でメレ腐本のパネル展示中です

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渋谷のスクランブル交差点、ツタヤの隣らへんにある大盛堂書店さんの階段のところに、「メレンゲが腐るほど旅したい」のパネル展示をしています。
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パネルはA3×12枚で、本から抜粋したものを飾ってもらいました。数年前に上京してきたときはスクランブル交差点とか怖ろしくてしょうがなく、今も渋谷の放射状の道が絶望的にわからないのですが、こんなことになるとは感無量です。大盛堂書店さん、ありがとうございます!

わさおデイズ (MARBLE BOOKS)
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マーブルトロン
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わさお公式ブログの管理人・吟さんのわさお写真集「わさおデイズ」もいっしょに並んでます。展示は11月中旬までだそうで、お近くを通る機会がありましたらのぞいてみちゃってください!
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本屋さんを出て渋谷の街を歩いていたら、なんと不動産屋さんの看板にわさおがいてはげしく噎せました。「駅から車で5分。日本海をのぞみ眺望よし。自由すぎる大型犬つき」みたいな物件があるのだろうか…。

民話の里・遠野に行く

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柳田国男が民話を集めて「遠野物語」をものしたことで有名な岩手県・遠野に行ってきました。新花巻から電車で40分。
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駅前にはいきなり恐ろしげな河童が飲みニュケーションをしている池がある…。妖怪なのでかわいくなくてもいいのですが、それにしても人ならぬ河童でも飲みニュケーションからは逃れられないのでしょうか。おばけにゃ学校も試験も何にもない、と聞いていますが、飲みニュケーションがあるのなら人間と大差ないような気がしてきました…。


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遠野の楽しみといえばサイクリング。駅前で借りた自転車を走らせ、ウネドリ様にやってきました。
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ウネドリは卯子酉と書きます。背の高い木のかげにある小さな神社ですが、三連休なのに誰もいない境内にビッシリと赤い布が垂れ下がっている。
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ヒー!ジャパニーズ・ホラーの世界じゃー
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赤い布をよく見ると恋の願いが書いてあります。卯子酉さまは女性の縁結びの神様で、境内の木や裏手の水辺の片葉の葦に左手だけで赤い布を結ぶと願いがかなうと言われています。
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いわれを知ってもまったくホノボノしないというかむしろその逆というか、人の欲望がこれだけ集まると願いも呪いも区別がつかない。
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「どれ、ワイもひとつ願掛けをしてみようかしらね」珍妙な毛の帽子をかぶった妖怪が赤い布をくくりつけています。これはメレコという妖怪で、触れた電化製品はみな壊れるという言いつたえがあります。
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「フザけたこと言うとると夢枕に立つどー」ミギャァァ!神の使いザトウムシにおどかされてしまった…。


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一日目は遠野についたのが遅くてあまり遠くまで行けなかったのですが、ほとんど人がいなくてすがすがしいサイクリングを楽しめました。
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バス停の墓場。夜な夜な役目を終えたバス停が道をはいまわり、うっかりそのバス停にきたバスに乗ってしまった人は一生バスで万札しかなくて運転手に冷たくされる呪いを受けると言われています。この呪いを解くには「バスガス爆発」と三回唱えるとよいという。


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遠野の名物はちょっと意外なジンギスカンです。満州帰りの人が大陸で食べた羊肉料理を食堂で出すようになったのがきっかけなんだって。


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翌日も朝から自転車を走らせました。遠野は寺社が多すぎてどれが有名でどれがそうでないのかよくわからない…地図に「さすらい地蔵」とか「キツネの関所」とか名所っぽく書いてあっても、地味名所好きのメレ山が音を上げるほど地味だったりもするし。
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神社の境内にいた猫。唐突ですがこの猫をつかって「道ばたの猫をモンゼツさせる方法」を鷹さんばりに説いていこうと思う。
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まずは猫に用のないふりを装って2メートル程度まで接近し、やおら姿勢を低くして人さし指をつきだします。そうすると猫はつい指のにおいをかいでしまう。ここで名刺交換がすんだと見るべきで、指をかいでいる猫のほほに指をすべらせると、猫はつねにほほがかゆい生き物なのでついほほをすりつけてしまいます。
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2.
さらに親指以外の指をそろえてゴリゴリかいてやると、猫は陶然としてなすがままです。完全に体をあずけてきてきました。いやらしいですね。
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3.
こうなると普段はさわられたくない部分まで性感帯と化すのであり、しっぽの手前の背中のところを平手でトントンしたり逆手に撫であげるとゾワゾワするのかおしりを上げてイモムシ状になります。
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4.
適当なところで「もうどうにでもして!」とひっくり返ってくるので、すかさず頭のうしろに手を添えておなかをワシャワシャすると気持ちよすぎてもうわけがわからんようです。
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この没我の境地をごらんください!
ちなみにこうなったあとは感極まって人間の手をヒシと抱えてガブりながら後肢でズダダダと猫キック→いきなり我に返ってとびさすったあとキツネにつままれたような顔で去ることが多いです。いったいどんだけ気持ちいいのか、自分が猫だったら猫の扱いを心得た人間になでくりまわされてみたいものだ。


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カッパがいるというカッパ淵。ここは遠野でいちばん有名な場所らしく、さすがに多少人がいます。
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遠野のカッパは顔が赤いのだという。

上郷村の何某の家にても川童らしき物の子を産みたることあり。(中略)身内真赤にして口大きく、まことにいやな子なりき。忌まわしければ棄てんとて(中略)ふと思い直し、惜しきものなり、売りて見せ物にせば金になるべきにとて立ち帰りたるに、はや取り隠されて見えざりきという。
(「遠野物語」五十六話)

見せ物にすれば金になるという発想もおそろしいが、ほかの河童伝承も裕福な家の娘が河童の子を産むといった話がいくつかあり、金持ちへの妬みそねみが「異人殺し*1」みたいな民話を生んだのかなとも思わせる。昔は今よりも平均気温が三度ばかりも低く飢饉に苦しめられた地域だそうなので、そんなうわさ話でもせんとやってけんのじゃろうね…
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ハロウィンに備えてか巨大なかぼちゃがそのへんに植えてある。


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やおいしそうな米が生えまくりの遠野…しかし上記のようなきびしい食糧事情から、姥捨ての伝説も残っています。
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ここ「デンデラ野」は、老人たちが寄り集まって暮らし、昼は里におりて農作業を手伝うなどしながら死を待ったといわれる場所です。
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ポツンと再現された死を待つための家がえらいメルヘンチックである。おや?誰かいるようですね…
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「見捨てないで!まだブロゴスフィアにいたいの〜」この”あがりの家”は、更新頻度の激減したブロガーやテキストサイト管理人が寄り集まってネガティブなコメントを吐きながら死を待つ場所と言われていません。たとえ一年前から更新すべき旅行記がたまっていても、あきらめない!
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関係ないけどこういう変な帽子を森ガールみたいって思って買ってしまいがちなのですが、本当に森っぽいところでかぶるとただの妖怪みたいになるし村の人にもめっちゃ見られるので町っぽいところでかぶるべきなんだと思います。


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日本むかし話感満載な「山口の水車」。
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水車小屋の中にはわらの馬が。遠野を歩いてると牛が目につきますが、馬もとても身近な動物で、馬と好きあった娘の「おしらさま」伝承とかがあります。


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すごく伝承がありそうなとこに何もなかったりする。
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無言で尾をふりつづける気立てのよい犬と、不信感まるだしの猫兄弟。
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巨大なマツタケを象った「金勢(こんせい)さま」とわたし。「一度でいいからでっかいマツタケをお腹いっぱい食べたい」という村人の願いがこめられているのだろう。こんなマツタケ石を見るために何キロもママチャリを漕いで、雨は降ってくるしクソ寒かった…しかも後から調べたら道の奥に主役のマツタケ石があったらしい。そうだ死のう。


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雨宿りも兼ねて立ち寄った南部曲り家のならぶ「伝承園」。養蚕関係の展示もされています。
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娘と夫婦になった馬を父親が殺したところ、馬と娘はともに天にのぼって農業・養蚕の神「おしらさま」になったという。カイコの幼虫が馬に似てることからきた話なのだろうか。壁のイメージフォトが無駄にエロすぎる…あと、娘と馬がいい仲になったら父親もそりゃ困るよと思う。
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馬と娘の人形に願い事を書いたきれいな布を着せると叶うそうです。
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30キロくらい自転車を漕いですっかり尻が痛いし寒いしで大変でしたが、きれいな虹を見ることができました。


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「サイクリングといえば古墳の里・明日香村だろう…」と思っていましたが、遠野も最高でした!日本むかし話などのちょっとおどろおどろしい民話好きにはたまらないですね。


遠野 -a set on flickr-

*1:「あの家は宿を借りた旅人を殺して奪った金で栄えた」といった内容の伝承