夜中にダウンを羽織りコンビニに向かいます。路地を抜けて大通りに出るとほっとする。シャッターを閉めた商店の狭間にくすんだ掲示板があり、
飼い主募集
避妊 予防接種 協力します
080-XXXX-XXXX クリハラ
の貼紙。数匹の猫の写真が並び、「シロ 2ヶ月 オス」「キジトラ 半年 メス」等最低限の釣書がサインペンで添えてある。顔ぶれの移り変わりの激しさと、たまに成猫も混じるところから見て、クリハラさんは単なる飼い主というより地域猫の会の窓口のようなことをしている方かと思われます。
数年前、この町に来てはじめて貼り紙を見たときは、猫の写真があまりにもひどくて笑ってしまいました。使い捨てカメラで撮影したのか、背景は真っ暗で目が悪魔のように赤く光っていたり*1シャーと牙をむいた小野獣の勇姿だったり、素人受けしないショットの数々。子猫たちの命運を決める一枚がこんなことで里親探しにはかがいくのか、なんなら彼らの宣材写真をわたくしめに撮影*2させていただきたいものよ…そして報酬としては子猫と戯れたいものよ…と、密かに胸を熱くしていたものです。
しかし最近のクリハラさんはめきめき写真の腕を上げている。デジカメを購入したのか?子猫が前足をきゅっとふみしめて小首を傾げています。毛先が光を受けて輝き、ピンクの鼻はすこし赤らんでいる。胸キュンスカウターが測定不能でボンッと爆けます。見ているだけで涙目になる…。
クリハラさん、ちょっとやりすぎです!猫を飼わせる目的には非常に適していますが、猫を飼えない猫好きには拷問!!「もう少し可愛さひかえめでお願い…」と、横座りになってほつれた髪をくわえながら呟きたい気持ちです。いつか猫を飼う日は、クリハラさんのような人から譲り受けたいなあ。