台湾旅行記の最終回は、台湾で食べたおいしいもの総集編です。台湾最大級のナイトマーケット「士林夜市」はもちろん、味の宝石箱すぎるかき氷、さらにお寺前の健康ストリートで食べられるあやしい食材など、旅行中口にいれたすべての珍しくもおいしいものを紹介します!
はずれなしの屋台メシたち
まずは行きの飛行機の機内食。初海外なので初機内食でしたが、普通においしかったです。帰りは深夜便だったのですごくどうでもいい朝食だった…。
ちなみにホテル(王朝大飯店)の朝食もツアーに含まれていたんですが、一度も食べる機会がありませんでした。
とにかく台湾っぽいごはんだけ食べたかったので!
ホテルの裏のこぢんまりした店で食べたワンタンそば。漢字の並ぶメニューを眺めて迷っていたら店のおばちゃんが「日本人にはコレだよ」とすすめてきただけあってちょっと保守的なチョイスになってしまいましたが、ワンタンの中の肉にもスパイスで下味がついていておいしい。
台北駅前の予備校街。若者たちが「敵在全国!」とか言いながら熾烈な受験戦争を戦っているのだろう…。
受験生の活力源!(かどうかは知らんけど…)豚をやわらかく煮たものがかかった魯肉飯(ルーローハン)と魚のすり身団子のスープ。昔ながらの屋台風のお店ではお茶やジュースなどが食事とセットという概念はあまりないみたいで、水分は湯=スープでとっているみたい。
地下街にあるようなチェーンっぽいお店だとジュースも普通にありますけどね。高菜ごはんや排骨(パイコー:豚肉を揚げたもの)といっしょに飲んでるのは桂花蜜(キンモクセイのジュース)。桂花は中国茶に入ってたり、香りだけを茶葉に移したりするし台湾ではフレーバーとして地位を確立しているな〜
街にはスタバ・マック・大戸屋などが幅をきかせていて、台湾のヤングはモーパラに行列していたりします。家で煮炊きするという感覚が薄くて、安く手軽にバラエティに富んだアジア飯が食べられるのに…と思いますが、やはり目新しさがあるんでしょうね。
台北ではセブンイレブンが一本の通りに一店の勢いであり、日本と変わらないお買物ができます。「必死こいて搭乗チェックに備えて化粧品を透明容器に小分けしなくてよかったんだ…」とブツブツ言いながら砂糖づけのオリーブや烏龍茶を買う。左のソーセージ状のやつは道端で焼いているのを買ったら、ナイフで切りこみをいれてパクチーをさっとかけてくれました。中は肉じゃなくてお米がつまっていて、韓国料理のスンデみたいですが豚の血は入ってなかったです。そういえばパクチーをカメムシのにおいがすると嫌う人もいますが、わたしはパクチーが好きすぎてカメムシを変な目つきで見てしまうレベルなので問題ない!カメムシにとってはおおいに問題かもしれませんが…。
夜市でトッピングおまかせかき氷に挑む
夜はもちろんナイトマーケットへ。遼寧街夜市(リャオニンチエイエスー)はほぼ全ての店が食べ物を扱っており、混雑を避けてグルメに集中したい人におすすめです。
えらくアーティスティックに盛られた魚。台湾ってあまり海鮮のイメージがありませんでしたが、おいしそうな魚がたくさん売られていてさすが島国です。
犬「夜の街に飛び出したいんよ」
メ「踏まれるけんやめときよ」
マーケットに限らず街角で見かける緑色のネオンは「檳榔(ビンロウ)」の目印。噛みタバコのような軽い酩酊感のある嗜好品らしいです。ひとむかし前はビンロウ売りのお姉さんはかなりエッチな格好をしていたらしいのですが、規制が強化されたらしく今回の旅行では見ることができませんでした。
屋台の丸イスに座って、日本語併記のメニューがでてきたので、とにかく目新しいものを注文しました。上はサメの燻製。
さらにガチョウの肉、
田ウナギの炒め物などを食べた。田ウナギって普通のウナギとは違うのかな?
さっきまでもう食べられないとか言ってた気がするが、「四種任選氷」の字にいやおうなく吸い寄せられる体!ここはトッピングが自由に選べちゃうかき氷のお店なのです!
ハスの実・タロイモ・粉圓(フェンユェン=しっかり味のついた白玉)…と選んで迷っていたら、おばちゃんが茶色い謎の何かを薦めてきたので素直に従います。
おばちゃんは四種のトッピングをザッと盛り、氷の上にさらに黒みつをかけて出してくれる。トッピングすべてにそれぞれの食感とフレーバーがあり、日本のかき氷にありがちな飽き感がまったくなく「日本がワビサビとかいってバカには見えない服を商ったり、寒天にニセの赤いサクランボをのせて杏仁豆腐でございとか言ってる間に、中国や台湾はドンドン日本を追い越していくんだヨ…!」と、ワケのわからないことを言いながら拳を天につきあげてしまいそうなくらいおいしいし、実際につきあげていた…。茶色い謎の何かは口に入れてみたらたしかに知っている歯ごたえで、食べおえてから「ライチのシロップ漬けだ!」と気づきました。エウレカーーー 実際はライチと同じ仲間ですがひとまわり小さい龍眼という果物だそうです。
ガラスケースに入っているジュースの材料にどうみても多肉植物…それもダサい家の生垣とかに地味な色彩で生えてる花のふりをした肉厚の葉っぱのやつ*1が入っていたので興味をそそられて頼んでみたら、これもさわやか一辺倒のキウイみたいな味で驚きがとまらない!石蓮花といって、台湾で今アツい健康食材らしいです。もうあの花のふりした分厚いやつを違う目で見てしまう日々です。
台湾最古のお寺の前で滋養強壮グルメを楽しむ
台湾でいちばん古いお寺・龍山寺(ロンサンスー)。地下鉄の駅を出るとすぐ、笑顔の女性に美しく紙皿に盛った蘭のお供え飾りを売りつけられます。
規模は小さいのですが、人がひっきりなしに訪れるのとお寺自体の賑やかさも手伝って浅草みたいな活気がある。
煙がもうもうとする中でものすごい熱心に祈る人、瞑想する人、その人の瞑想をジャマしてまで飲み物を喜捨しようとする人、ものかげでルーローハンを食べる人など、わりとみんなが好き勝手しています。
美玲「我亦焚線香!!」
またしてもメーレー*2が登場…
「是正作法?祈多謎栞*3於毎記事…」
「更祈為謎狩人*4!終謎!不思議発見!!!」
キジバトみたいな放ち鳥がウロチョロしています。お金を払って逃がしてあげると徳が積めるというシステムですが、鳥を捕まえて売る人の徳はどうなるのか。やはり家に帰ったら千羽鶴を折るなどして中和しているのか。
龍山寺は浅草や巣鴨みたいなものなので、近くに漢方料理やマッサージのお店が軒を連ねるアーケード街があります。
お縄を頂戴したカニ「已牟…」
龍山寺に行く前に入ったお店はチェーン店っぽかったのですが、ルーローハン専門店だけあって肉のトロトロ加減がハンパじゃない。屋台は豊富なメニューを忙しく用意しているので、根気よく煮こむような料理は専門のお店のほうがいいのかも。
調子に乗って朝から八宝氷まで…もう戻れない…。四種の次は八種でしあわせ二倍!と思いきや、これは人気のある順に八種のトッピングなのでちょっとコンサバになってしまいましたね。おいしくてしかたないことには変わりないものの。
とはいえこのアーケード、普通においしくて楽しいだけでは終らない。おいしくて楽しくてちょっと怪しいストリートなのです!
「蛇湯=ヘビのスープ」の看板ををかかげた店のひとつに入り、手当たり次第に怪しげなメニューを注文。名物のヘビスープは色とりどりの漢方のお酒といっしょにやってきます。
骨が多すぎて身をせせれない。いわゆる漢方という味。
スッポンの冬虫夏草スープはもとから高級食材だけあり普通においしいです。スッポンのお手てがプルプルしてる。
ヘビ皮を炒めたもの。けっこう辛いです。
店内にはスッポンのペニスやらヘビの精液の漢方薬が売られていて、給仕の合間をぬってセールストークがありますがわたしには薦めてくれません。そうかそういうことか。わたしだって滋養を強壮したい!(これ以上ヤバンな女になってどうするのか)
ごはんを食べている間も、客寄せの胴回り50センチくらいありそうなアルビノのニシキヘビに魅かれて見物客が引きもきりません。ちょっとだけ見えてるヘビの飼い主的な人(店長?)が、最高にでかい態度で足を組んで延々とマイクでヘビについて喋っている。よくもそんなにヘビについて話すことがあるものだと思いますが、もしかしたらたまに自前のヘビについて語っている可能性などもあり、中国語がわからないのでその辺は藪の中です。
はちのこ揚げは高級食材だけあってとても美味!丸々太っていてナッツみたいないかにもハイカロリーな味。
【注意:以下の写真はハムスター等をかわいがっている方や、ドブネズミみたいに美しくなりたいと願っている方―ドブネズミおよび写真に興味のない人に「ドブネズミの写真に写らない美しさ」について語られてもドブネズミも困るだろうと思いますが―にはショッキングかもしれません。心してお進みください】
メニューに「ネズミの炒め物」って書いてあったので、「ヘビのエサ有効活用法にも程があるだろう…」と思いつつも好奇心には勝てませんでした。森ガールになるためには森に生きてそうなものを選り好みしてはならない。パッと見は普通の料理みたいな印象ですが…
かきわけてみたらこんがり焼けた顔面が!!!
「お口の中からヤッホー☆」
いやァ…なんかね、コレくらいしか利用法がないの、おいしかったらまだいいんだけどおいしくないのよ…煮ても焼いても食えない感じのイヤなえぐみというか…ドブを走ってるやつをつかまえるほうがよっぽど大変なはずなのでそれなりの環境で育ったはずなんだけど、なんか臭いですね。これはいかなわたしでもダメです。森ガールへの道は果てしなく遠い…(ネズミとかそれ以前の次元で)
メ「これからは『嫌いな食べ物:ネズミ』ってプロフィールに書きたい」
ドリンクは口直し効果のありそうなメニューのみとなっております。
そして台湾最大の「士林夜市」へ
台湾最後の夜は士林夜市(シーリンイエスー)へ向かいました。最寄りは士林駅の横の剣潭(ジャンタン)駅なのがちょっとややこしい。
駅のまわり何平方キロあるのかわからんくらい広いのですが、特に駅近くの屋内マーケットはものすごい混雑で、写真も思うようには撮れないくらい。
大鍋にあふれんばかりの愛玉子(オーギョーチ)もいろんなところで売られています。
チュイーンと板金工作するオッサンの横で寝る犬たち。
フルーツ王国すぎてもう…だいぶ疲れてて手が出なかったのですが、今なら腕いっぱい抱えてすすりたい!特に手前のトゲトゲしたやつ!
金魚すくい、エビ釣り*5、お洋服、射的、海賊版ファミコン、ハンコ、ペットなど売られていないものはない市場です。
「こんなに無限においしいものがあるのに、なんで胃袋には限界があるのか…」と呟きつつも冷麺を食べる。こんなシンプルなものもおいしくて、やはり移住を真剣に考えなくてはならないようだ…。漢方はさすがに高かったけど、今まで並べたご飯はほとんどが200円くらいで買えちゃう。
ふと近くの店に目をやると、若者がなんか黄色く輝くかき氷を食べてる!冬はマンゴーかき氷は食べられないと聞いて地団駄を踏んでいたのに…最後の力をふりしぼってここでスイーツ(甘)をキメることにしました。
多彩なかき氷があるようだが、なんでこんなに写真がnot豪勢but合成なのだろう。
しかしこの質感はどうしようもなく現実!!!
キャバクラで頼めば1万円はするであろうフルーツ盛り合わせがこんなに…(付加価値をガン無視)それぞれ味がしっかりしていて濃密です。
おや?いつのまにかかき氷が二つに分裂!
不死鳥のようなテンションの大人気ないオーダーの数々…ここまでくるとまわりもざわ…ざわ…としはじめ、横のテーブルのオッサンとかも運ばれてくるたびに「オウ」とか求められていない欧風のリアクションをかますし、「ジャパンマネーでスイーツを買い占める日本人之図」を写真に撮るカップルなども出てくる始末。ジャパンマネーを得るためにわたしが日々どんだけつらい思いをしてるのかと…「密着メレ子・社畜24時」を放映したらみんなゴメンっていってお金をくれると思うけど、今は幸せだから許してやろうと思います。
アジアの国は楽しすぎて困ってしまうに違いない…と思っていましたが、あらゆる意味で想像以上でした。書きながら追憶でギュウギュウにされたので、かくなる上は深夜に記事をアップして読者の胃を胃酸でギュウギュウにせしめたい!
帰りに成田で見たベトナム航空の飛行機がかわいかったので、次はベトナム辺りに行きたいと思って予習中です(無給のミステリーハンター)