水族館にお泊まり…それは水族館好きの見果てぬ夢にして狭き門…
と思っていたところ、マイフレンドの安全ちゃん(id:anzenchan)から「新江ノ島水族館の女性限定お泊まりイベントに応募しません?」と誘っていただきました。ここに自慢かたがたその記録をしていきますので、歯ぎしりしながら読んでくださいね!
昼の水族館
2009年3月末に行われた今回のお泊まりイベントは「クラゲヒーリングナイト」なるもの。応募多数の場合は抽選になるということだったのですが、安全ちゃんが「ハガキをちょっとでも目立たせるためにゆるすぎるクラゲのイラストをかいたりして頑張りましたよ…フフ…」と奮闘してくれて、無事当選できました。
事務所で手続きした後、まずは昼の水族館を楽しむことに。ミュージカル仕立てのかなり斬新なイルカショーが行われていました。水の妖精的な人たちが音楽にあわせて踊ったりイルカと共演したり、アミアミしたスカートを取り外したりしていた。
ここは相模湾の生き物がミッシリつまった「相模湾大水槽」。ダイバーがカメラで魚をアップにして生態などを説明してくれるショーをやっています。
こちらはシイラ。水槽横のモニターにしゃくれっぷりが映し出されます。
メレ子「フフフ…みなさん無邪気によろこんでいますが、我々は今夜ここでオネンネするわけですよね…」
安全「正直ちょっと優越感とか感じちゃいますよね…フフ…」
水族館に泊まるという異常事態にテンションがあがりまくり、こんな発言ばかりしていました…。
アナゴの寝床。異常にさみしがりやのようです。
ツアー中に水族館の方に教えてもらったのですが、タカアシガニは大きい上に日本近海にしかいないので、海外の水族館からかなり引き合いのある人気ガニだそうです。
しかしストレスを感じると脚を自切しちゃうリストカッターでもあり、生態に詳しくない人が輸送すると箱の中で胴体だけになっちゃっていることがあるそう…。そんな水族館残酷物語を防ぐために、上海ガニみたいに緊縛して脚の先に発泡スチロールのガードをつけるといいます。ナリはでかいけど繊細なんですね。
おのれの愛らしさを知っているとしか思えない仕草を見せるペンギン。
見つめあう二人。
色とりどりのサンゴ水槽。
大きいクマノミに隠れ場所のイソギンチャクを追い出され、水槽内を右往左往する小クマノミたち。ここは水族館なので焦らなくてもいいのですが、それをどうやったらこのひとたちに伝えられるのか…(動物園で立っているプレーリードッグにも伝えたい)
えのすいは深海魚の展示も充実しています。なかでも人気があるのがこの海ダンゴ虫ことオオグソクムシです。
推進力は意外とあるらしく、水中をブバババと泳いでました。ダイオウグソクムシはなんと体長が50センチほどもあります。フォースを使ったりはしないのだろうか?
同じ等脚目の仲間にはワラジムシ、フナムシ、ダンゴムシ、そして当ブログでも紹介したことがある恐怖の寄生虫・タイノエなどがいます(基本的に気持ち悪いものに理解があるはずのうちの読者の方々にも「グロ貼んな」と罵られました)。最高に愉快な仲間たちですね!
閉館後の水族館へ
そして閉館と同時に参加者は再集合。バックヤードを抜けて水族館に戻ります。いよいよお泊まりプログラムのはじまりです!
参加者は全部で60名くらい。2〜4名のお友達同士で参加している人が多いようです。
まずは座学から。きょうの目玉であるクラゲについて、クイズをまじえながら講義がありました。「『Q.クラゲにオス・メスの区別はありますか?』」「うーん…ないほうがカッコイイですよね…*1」などと真剣にクイズに取り組む我々。
クイズの後でもらったクラゲグッズ。外にはもう夕闇が迫っています。
えのすいのクラゲルームに移動して実際にクラゲを見ながら説明を受ける。天井には巨大なミズクラゲを模した照明があり、クラゲの胎内にいるような気分です。
かわいさ満点のブルージェリーフィッシュ。
過剰にレーシーなサカサクラゲ。水槽の壁面に頭を貼りつけてバックベアード状になっています。
これも足のフリフリが美しいパシフィックシーネットル。リボンがちぎれているのが気になるところですが…。
盛大にもつれからまるアカクラゲ。
これはクラゲの幼生のポリプ。クラゲの寿命は数時間から数年とさまざまですが、ポリプのままだと半永久的にもつそうです。海からの輸送や、水族館どうしの贈りあいではポリプの形で運ぶのがラクチンなのですが、輸送中のショックや温度上昇によって「ああッ、もうクラゲになりかけてるッ」というハプニングもあります。
ほかにも首かざりのようなヨウラククラゲなど、不思議なクラゲをたくさん見ることができました。ヒーリングどころか興奮しすぎて気が狂いそう…。「クラゲエキサイティングナイト」に改名してはどうでしょうか。
夕食は大水槽の前でのビュッフェ形式。ハワイアンな格好のお姉さんが給仕してくれました。
ごはんを食べながらのダイビングショー。水槽内からの「アップで見たい魚のリクエストありますか?」という問いかけに参加者が「しゃ…しゃくれてるやつを!(昼間見たシイラをもう一度見たかったみたい)」と答え、「魚ってしゃくれてないほうが珍しいんですが…」とダイバーを困惑させてしまう一幕もありました。しゃくれという観点から魚を見るという新鮮体験。
夜の水族館
夕食後はクラゲのバックヤードを見せてもらいました!
クラゲのエサのブラインシュリンプやクラゲがたくさん養育されています。
ミズクラゲなんかはクラゲであると同時に他のクラゲのエサでもあるそうで、飼育形態も一山いくらな感じがします。小さいときに海で見つけたミズクラゲの死骸のシースルー感に魅せられ、持って帰りたくて水着につめこんだのですが、家族にはスタイル抜群のギャルに憧れての犯行と誤解されました。しかしミズクラゲは毒がないのではなく刺胞が刺さりにくいだけなので、そういうことをしては危険です。
そしてさらに照明を落とした夜の水族館へ…。
大水槽の前にブルーシートを引き、参加者1名につき毛布2枚が支給されます*2。
ジリジリしながらタイミングをうかがった結果、大水槽のいちばん前をゲットしました!
「ククク…計画的に動いた甲斐がありましたネ」「笑いがとまりませんヨ…ククク」と囁きあいながら他のエリアを見に行ったら、クラゲホールにも宿泊可能場所があってあごをはずす二人。
あおむけになるとこんな幻想的な景色が…でっかい魚影が次々と頭上をよぎっていきます。
興奮してなかなか寝つかれませんでした。
朝の水族館でイルカと握手
早めに起床して、朝はイルカとの握手会がありました。
「メレ山さん…イルカって三歳児くらいの知能らしいですよ」「なるほど三歳児だけあって、あんな浮き輪に夢中になっちゃっておろかなものですね…」(前夜からつづく感動体験に脳がついていけず、無理にイルカをおとしめて脳のクールダウンをはかるところまで来ています)
イルカに触る前に手を消毒して、握手するときの手の動かし方について習います。イルカはいたずら好きなので、不用意に手を出すとそのままカプッとくわえて水に引きずりこむこともあるらしい。
ヤッター!ちなみに正面からの写真も記念に撮ってもらえるので、一人で参加しても安心です。
「言われたとおりにしたデ!早く小魚をよこすんだ!」
飼育員さんの手にあわせて踊るイルカ。
こんな感じで狂乱のクラゲナイトは幕を閉じたのでした。今回は女性限定のナイトツアーでしたが、家族連れ向けのものなども開催しているようなので応募されてみてはいかがでしょうか。男性も水族館好きクラゲ好きは多い気がするけど、男性限定ツアーはやらないのかなー。