沙東すず

以前はメレ山メレ子という名前で「メレンゲが腐るほど恋したい」というブログを書いていました

日記(2024年7月30日~2024年8月4日)

2024年7月30日 火曜日
佐渡旅行が終わったばかりだが、今日も人間ドックなのでお休み。と言うと「こんな美味しいものばかり食べた佐渡旅行のあとで…!」と友人たちに言われるが、もうありのままで行くしかない。
しかし人間ドックへの注意力散漫というか、まずお財布を忘れ、さらに帰ってきてから会社の健保の受診券を忘れていることを電話で指摘される。最悪の受診者だが、自己負担分の銀行振込および受診券の郵送で対応してもらえたので良かった。
近年通っている人間ドックは無痛の(寝たままで終わる)胃カメラと大腸カメラを得意としており、先生が何かと内視鏡をすすめてくるのがチャームポイントである。病弱なことで定評のある会社の人に教えてもらっただけあり、無痛胃カメラはとても良い。なんといっても全身麻酔が気持ちいいので、受ける前からちょっと楽しみですらある。
今回は意識をどれだけ保っていられるか自分を試そうとワクワクしていたが、注射器から麻酔薬が入ってきたと思った瞬間から前頭部に黒い帳(とばり)を感じ、気がついたら一時間後だった。マイケル・ジャクソンも麻酔薬プロポフォールに依存したのが結果的に死につながったというが、全身麻酔を受けるたびに「わからんでもない」と思う。
疲れがたまっていたのか、家に帰ってもほとんど眠って過ごしてしまった。

2024年7月31日 水曜日
出社して上司に頼まれたイカの一夜干しを渡す。保冷パックに入っているので、フロアに冷凍庫があってよかった。最近みんな出張が多いので、全員そろうのはひさしぶりである。
ミーティングしながら佐渡牛乳カステラを配る。部署に見学の人が来てるのを忘れていたので自分のぶんがなかったが、その分サラダホープを独占してしまった。
夕方、上司がさっそくイカを忘れて帰ろうとしていたので「イカ!!!!!」と叫ぶ。

2024年8月1日 木曜日
遊んでばかりいてさすがにまずいと思い、私物のノートパソコンを会社に持参して昼休みに少しずつ作業するようにする。最近はスマホのテザリングで、十分にポケットwifi相当の働きをしてくれるので便利。

一般来場者向けではないのもあって告知が遅くなったのですが、八月末に京都国際会館で開催される国際昆虫学会(ICE2024)の昆虫グッズおみやげブースの世話人をやります。出展は8/29(木)30(金)の二日間で、ブース数はまだ調整中の方も含めて12ブースくらい。あらためて告知記事を書きます!
参加登録した世界の昆虫研究者にクールジャパンインセクトグッズをスーベニアとしてセルするわけですが、我々はかなり英語が心許ないです。まあなんとかなるやろ、英語ペラペラで売りものダサいよりは英語できなくて商品がCOOLなほうが圧倒的にいいわけだし。

2024年8月2日 金曜日
せっせと改造を続けているツールがあるのだが、ひととおり動くようになった一方で読み込みが遅くなってしまい頭を抱える。部署の人にもアドバイスをもらい、一日にらめっこしていたらなんとかなりそう。
最近チームでのコミュニケーションが和気藹々としていてすごく楽なのだが、雑談が多めでとなりのシマから見たらうるさいかもしれない。
21時ごろまで仕事して、部署の人に「もう帰ろうと思うんですが」って言ったら「マジで?!ひとりにしないで!!」とすごい勢いで帰り支度していた。フロアで最後になって戸締まりの何かを忘れて怒られるのが極端に怖いそうだ。電気と自動ドアのボタンくらいしか気をつけることないのに〜。
昔はもう自分ひとりだと思って残業していると、どこからかシクシクと泣き声が聞こえてくることがあった。他部署の若手が仕事のつらさをシクシクと訴えて、ちょっとだけ先輩がそれを慰めていたりすると、こちらも帰りたいのに出ていくことができず進退極まることがまれにあったのである。最近はそういうのはだいぶ少なくなった気がする。
同期の事務職の女子(わたしは第二新卒扱いで入社したのでだいぶ年下)もそのころ部署が合わなくて、「すずちゃん、わたしディズニーランドのバイトに戻りたい。あるいは空港のグランドスタッフに応募しようかなってずっと考えてる」と言うので「それぜったい部署が合ってないだけだよ!なんでそんなブラックなほうブラックなほうに行くの?!弊社のほうがずっとホワイトだから社内で異動しなよ!」と必死で止めたことがあって、結果的に異動先の部署で幸せそうにしてたのだが、それぞれが思う「楽しい職場」のイメージのギャップを感じる出来事であった。なんでそんな大変なほう大変なほうに行こうとするの〜!と思うけど、過酷なほうがやけに支え合う雰囲気ができて居心地良かったりとかも、現象としてはあるよね。

2024年8月3日 土曜日
起床するとしりひとみさんからメッセージが来ていて、インタビューで『奇貨』を紹介してくださっていた。うれしいな。
「普通の日常」にだって、地獄がある|文学フリマに魅せられて(第4回)しりひとみさん|ほんのひととき
先日は石山蓮華さんにもご紹介いただいたのだった。
石山蓮華が“言葉”に求めるリアリティ - 音楽・映画・アート情報を届けるサイトFLYING POSTMAN PRESS(フライング・ポストマン・プレス)
奇貨、やっぱり面白いですよね?!わたしもそう思います!しりさんの『異常係長日記』もめちゃくちゃ面白いよ。会社員文学の金字塔、打ち立ててこ!

二週空けての陶芸教室。乾燥中のミニカレー皿だが、このまえ免許証を取りに来たときチェックしたし大丈夫だろう…と思ってみたら、ふちに一か所ピシッとひびが入っていてショック。先生に教えてもらい、ひびを削りとった部分を少しずつ磁土で埋めて仕上げたが、思ったより時間がかかってしまった。
先生のひとりが「胸が苦しいので病院に行きます」とラインに投稿していた。最近の猛暑はいかにも心臓に悪そうなので心配だったが、内臓系の異常はなく、筋肉痛と言われたとこと。そんな筋肉痛があるとは…!
後半はろくろの練習をするか、あるいはタタラ作りでもう少しお皿を作るか悩んだが、来週の絵付教室にむけて骨描きしようと思っているお皿があるので陶芸ノートだけ書いて失礼する。
それにしても今年の暑さは常軌を逸している。ソウルでは公費で40万本の木を植えて街路樹の森を作っているとネットで読んだ。
https://t.co/0dVnhMQ541
2021年の記事だが、緑は順調に育っているだろうか。韓国は開発も盛んな一方で、環境保護活動も進んでいる国らしい。東京でもぜひやってくれ。もはや死活問題だよ。
上京したときに都会に残る大規模な緑地のでかさを知り「これが豊かさか…(田舎者は緑地の尊さを知らずにすぐ切り拓こうとすゆので)」と震えたものだが、それから20年くらいでずいぶん卑しくなってしまったものだと思う。

帰宅後、夜に書きそこねた数日分の日記をアプリにつけ、直近の写真を整理してシェアしたりブログをアップしていたらあっという間に夜中の二時。骨描きは…イベントの準備は…と思いつつ寝る。

2024年8月4日 日曜日
脱脂注入の手術予定日。メディネックを買って肩こりや頭痛が激減したので、顔の疲れっぷりもいくぶん軽減されていてこれは早まったかな…?と思いながら支度する。すこし時間が余ったので、杉村徹さんの「壁の棚」を取り付け。ちょっと周囲が雑然としているので、あとで周囲も含めて整理する。

脱脂注入はひとことで言うと、寒かった…!!!!!手術中は鼠蹊部の近くから余分な脂肪を採るのもあって、点滴する腕や脚を広範囲に消毒される。エアコンのきいた部屋で気化熱でどんどん体温が奪われ、はやく麻酔で眠らせてくれ…と祈っていた。麻酔から醒めたらそれはそれで震えが止まらなくなり、待機室でもブランケットをもう一枚要求するありさま。
手術直後に先生が「パーフェクトな仕上がりですよ、20代の顔に近づきますね」と言ってくれたが、先生〜いくらなんでも言いすぎですよ〜わたしそんなあつかましいこと期待してませんって〜と思いつつ、麻酔から醒めかけで「ウフフ」としか言えなかった。
まだ顔が腫れているので仕上がりについてはなんとも言えないが、目に点眼した麻酔のせいで複視があって帰りはしんどかった。これでは帰ってからやるつもりだった作業ができなくてつらい。
複視は夜には治っていたが、保冷剤をおでこに載せて仰向けになっているしかなかった。