沙東すず

以前はメレ山メレ子という名前で「メレンゲが腐るほど恋したい」というブログを書いていました

週末の日記

土曜は早起きして観音崎に行ってきた。
以前からキヌバリという浮遊性のハゼを見たくて、普通種のはずなのになかなか目にすることができずにいた。昨年の夏に来たときには、ひとつの潮だまりで時間を使いすぎたのが敗因かもしれない。浅瀬を広く歩きまわるようにしてみると、あっけなく見つかった。砂地と岩や海藻のいりまじる場所で、砂の上をふわふわと漂っている。
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くっきりしたストライプがとても美しい。この縞は太平洋側では六本、日本海側では七本になるという。日本海側のキヌバリも見てみたい。
ナベカやキヌバリといった美しい普通種を家の水槽で飼ってみたい気持ちもあるが、自分にとって魚がいちばん美しいのは、観察ケースに綺麗に陽が差しこんだこの瞬間だろうなとも思う。
キヌバリ以外は目新しいものを見つけることはできなかったが、初めて見る生きものを狙って採れただけで十分うれしい。日差しも強いので、あまり粘らずに帰宅する。かつては本気で三浦半島に家を探していたこともあったが、干潮狙いの夏磯は決戦が短時間すぎて、本当に早く終わってしまう。別宅があったら、それはそれで楽しいだろうけれど……。

帰宅してシャワーを浴びてから美容クリニックに行き、ヒアルロン酸と糸リフトとボトックスの予約をする。顔に16本も糸を入れるらしい。野蛮! 心痛で5キロやせたらやつれた自分を鏡に映すのが楽しくなり、ついでにあご下の脂肪吸引をしてみたところこれもなかなかの効果があったので、この際やれることはやってみようと思った。自分の心と向き合う時間がうんざりするくらい続くのだから、すこしでも綺麗になっておいた方が精神衛生上良いだろう。
ひととおりやることをやったら、好きな写真家さんに写真を撮ってもらおうと思う。

日曜も大潮だったので磯に行きたかったが、エアコンの取り付けと塗装があったので我慢する。とはいえぐずぐずと着手を遅らせたため、結局は寝室の残り一面を塗装しただけで終わった。インナーテラスを植物が映える紫色に塗りたかったのだけれど。ポーターズペイントの担当者の方に相談しながら、手をつけられる箇所の分だけ調色した塗料を送ってもらって塗装している。書斎と寝室は青、インナーテラスは紫色、リビングの一面は黄色。これらをつなぐダイニングキッチンを何色にするかはまだ決めていないが、最終的には家が養老天命反転地みたいになっちゃうと予想される。家と顔の構築はどちらも道半ばにある。