信じられない、暑さ……。
かわいすぎる、本棚……。
書斎はいちばん最初に塗装に挑戦した場所なのでかなりムラや粗が目立つが、本棚が入るとあまり気にならない。カエルのために四六時中エアコンをつけているので、ついこの部屋にこもってしまう。
ずっと部屋にいたいところだが、前の家を買いたいという方が現れたので喜んで契約に出かける。買主さんも40代の男性だった。キャンプが趣味で、道具が置ける広い土間がある部屋を探していたとのこと。土間がぐっと来たようで何より。土間以外の部分は大幅に改装する予定のようだが、完膚なきまでにスクラップアンドビルドしていただいたらよろしい。どこをどんなふうに改装するのか根掘り葉掘り訊きたかったが我慢する。住まいへのこだわりが強い独居者には、否応なしにシンパシーを感じてしまう。
そのちょっと前から別の40代DINKSのご夫妻も真剣に検討してくれており、改装費用の見積をとるために工務店を伴って複数回内見してくれていたようだが、かなりの減額交渉になる見通しだったので、先に買付依頼を出してくれる方を優先することになった。
読書量が立派な本棚に負けているので、外出中と帰宅してからは塚本邦雄の『十二神将変』を読んでいたのだが、果てしない教養と美しい文章と意外に下世話なストーリーにあてられて、不完全燃焼の読書。一日で読もうとするたぐいの本ではなかった。わからない言葉を調べながら、ちびちびと楽しむべき小説なのだろう。