先週末はマメコ商会といっしょに、京都で「いきもにあ」に出展していました。
事前の話では「試着ができないから服はフリーサイズのボトムスやバッグが中心でそんなに量は多くない」という感じだったような気がするが、実際に広げてみるとなかなかの量がある。結局、見かねた周囲からの申し出によりハンガーラックをお借りするという大罪を犯す。しかしながら、最近はマメコ商会のブースもそこそこちゃんとしてきていたのもあって、初期のディグる感じは懐かしくもあった。
体裁の部分はたしかに整えたほうがよくて、単価を上げることにも直結するのだけれど、売る側として「野菜直売所方式でもいける」と思えているのはそれなりに強い気がする。わたしにもイベントを開催するとき、正直いって似たような感覚がある。
過去の経験から「関西(というか東京以外)のイベントでは服が売れない」とわたしたちは思っていたが、今回は好調だった。いきもにあがイベントとしてどんどん成熟しているから、というのもあるでしょうね。
ブースに座って「売れるのって楽しいね」「売れてると眠くないし疲れない」「芸能人が売れたいと思うのも、虚栄心とかではなくこういう気持ちなのかも」「もっと売れたいね」「売れてぇ〜」という話をする。
いきもにあで購入したものたち。「deer bone hai」さんの鹿の骨でできたメデューサのブローチが美しくて不穏で、たいそうお気に入り。
昔アール・ヌーヴォーのジュエリーの図録を読んでいたら、ヤマタノオロチのような宝石をちりばめた海竜の首飾りに「淑女が海の怪物ケートスのモチーフを身につけることには、勇者ペルセウス募集中の意味があった」というキャプションが付されていた。首飾りはめちゃくちゃかっこいいのにしょうもないな……と思ったのだが、そうだとすればメデューサの首を身につけることには「みずから勇者となって怪物を倒す!」という意味があるはずである(ペルセウスは鏡の盾でメデューサを倒したあと、海竜ケートスをメデューサの首で石化する)。
いきもにあ初日はマメコのお友達のみなさんとおばんざいを食べ、イベント終了後は大阪に向かってワクサカソウヘイさんと合流し、夜の3時まで飲んだ。よく売り、食べ、笑って、しみじみと楽しい週末でした。
帰ってきてからはずっと原稿を直していた。初稿は気持ちのぶれが大きくて読みにくいところが多々あったので、2稿にするのにも時間がかかったが、だいぶまとまってきたと思う。何人かに読んでもらい、感想も聞けたのですこし肩の荷が下りた気持ち。やはり書くことが解毒に繋がっていたと思う。
順調にいけば、11/11(土)の文学フリマ東京が初売りになります。タイトルは『奇貨』です。
原稿も仕事も忙しかったが、九谷焼の上絵付の講習にも行った。12月からは月一回で通いはじめる予定。
今回は体験講座なので、先生の呉須の骨描きの上に絵具をのせるだけ。ガラス質の粉末は焼成すると色が変わる。はやく骨描きを練習したい。磁器を教えているところは少ないみたいだけど、器づくりの教室にも行きたい。
ちょっと頭が飽和したので、今週末は2稿をなんとか上げたあと、休日出勤の予定をやめて東京国立博物館の「やまと絵」展に行ってきた。伴大納言絵巻に信貴山縁起絵巻、鳥獣戯画と百鬼夜行絵巻もあるという豪華さだったが、豪華すぎて人の列が微動だにせず、あまり見た気がしなかった。絵巻物、大勢で見るのにあまりにも不向き。貴族になってゆっくり見たい……。さまざまな料紙を繋げた古今和歌集や金箔で豪華に加飾された平家納経など、紙の本の装丁や書が好きな人なら堪らないだろうなという感じはあった。