沙東すず

以前はメレ山メレ子という名前で「メレンゲが腐るほど恋したい」というブログを書いていました

新刊『奇貨』について

『奇貨』という新作を出します。

『奇貨』書影

『奇貨』沙東すず
装丁:畑ユリエ
表紙協力:dubhe
編集協力:田中祥子

今年の3月、恋人に突然の別れを切り出されました。その数日後には元恋人が新しく好きになった女性と旅行に行くことが偶然わかり、苦しみながらも経緯を知ろうとしたり、やりとりがどんどん泥沼化していったり、Twitterで荒れたり、周囲との人間関係も悪化する一方で力になってくれる人もいたり…という半年強の記録です。
2021年に出した『こいわずらわしい』の続編ともいえる内容なので、あわせて読むとより楽しめると思います。三年経つとハートがマンドラゴラに…。

書くことで吐き出して元気になりたい、そのためならなんでもする、というのがわたしの願いで、実際にそれは果たされたと思います。元気になることを他人から強要され傷つく場面も出てきますし、書いている最中は別に綺麗に終わらせる気はありませんでした。書きながら「これが人に読ませられる話になるためにはわたしが元気になるという"展開"が必要だな」と自然に感じ、それがいい方に心に作用したのだと思う。その結果、ただ暗いだけの話ではなくなったはずです。

書いた動機や内容についてもっと説明しようかとも考えましたが、事前に読んでくれた方々のアドバイスも受け、まえがきと1章を試し読みとして公開することにしました。






初売りは一週間後の11/11(土)文学フリマ(東京流通センター)、ブースは「G28 沙東すず」です。
c.bunfree.net
イベント後には通販なども行う予定です。お手に取ってみてください。